真珠院 (文京区)

真珠院は、東京都文京区に位置する浄土宗の寺院です。1647年（正保4年）に、松本藩の藩主であった水野忠清公によって開基されました。元々は伝通院の塔頭として建立されましたが、明治時代に入り、伝通院から独立し、単独の寺院としてその歴史を歩み始めました。

真珠院は、その長い歴史の中で、幾多の困難を乗り越えてきました。1923年（大正12年）に発生した関東大震災では、幸いにも大きな被害を受けることはありませんでした。しかし、その後の1945年（昭和20年）には、東京大空襲に見舞われ、寺院は全焼するという壊滅的な被害を受けました。その後、地域の人々の尽力により再建され、現在に至っています。

真珠院の本尊は阿弥陀如来像であり、その他にも釈迦如来坐像、観音菩薩坐像など、数々の貴重な仏像が安置されています。また、寺宝としては、法然上人絵伝や増上寺黒本尊縁起などが所蔵されており、浄土宗の歴史を物語る上で重要な資料となっています。

寺院内には、開基である水野忠清公をはじめ、彰考館総裁を務めた佐治竹暉、日本社会党中央執行委員長を務めた鈴木茂三郎など、歴史に名を残した人々の墓所があります。また、東京歯科大学による学術解剖献遺体諸霊墓も設けられており、学術研究に貢献した人々の霊を弔っています。

真珠院へのアクセスは、東京メトロ丸ノ内線・南北線の後楽園駅8番出口から徒歩約11分です。

真珠院は、歴史と文化が深く刻まれた寺院であり、多くの人々に心の安らぎを与えています。静寂な境内で、歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

参考文献
小石川仏教会「小石川の寺院」刊行委員会 編『小石川の寺院（上巻）』小石川仏教会、2002年

関連項目
浄土宗
伝通院
文京区

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