睡蓮みどり

睡蓮みどり

睡蓮みどり（すいれん みどり、1987年10月26日 - ）は、日本の女優であり、文筆家としても活動する表現者である。神奈川県横浜市に生まれ育ち、後に早稲田大学第二文学部を中途退学した。

大学在学中には、フリーペーパーの制作・配布や、映画関連のウェブサイトにおける企画および司会（MC）を担当するなど、多角的なメディア活動を展開した。また、この時期には小滝香蓮（または小滝かれん）の名でグラビアアイドルとしても活動していた。

2015年頃より、主に映画作品を中心に女優としての本格的な活動を開始した。個性的な存在感を示し、多くのインディーズ映画や商業映画に出演している。代表的な出演作としては、『青春群青色の夏』（2015年）、『断食芸人』（2016年）、『第九条』（2016年）、『東京の恋人』（2019年）などがある。また、園子温監督の『恋の罪』（2011年）や榊英雄監督の『裸の劇団』（2016年）といった作品にも参加している。

2021年には、日本映画研究家として知られるトム・メス氏と結婚した。

表現者としての探求は多岐にわたり、2021年12月9日には、自らの身体を被写体としてセルフプロデュースした写真集シリーズの第一弾「睡蓮みどり EX赤と黒vol.1」を刊行した。これは末光美幸氏が撮影を手がけ、Mファクトリーより上梓されたものであり、本作以降も自身が計画・演出するヌード表現の探求を続ける意向を示している。

一方、社会的な問題にも積極的に関わっており、特に映像業界における性加害や性暴力の問題について、自身の経験を公にしている。2022年4月には、TBSのテレビ番組「news23」にインタビュー出演し、過去に映画監督から受けた性被害について告発した。さらに、同年4月には自身が『図書新聞』に連載している記事内においても、特定の映画監督・俳優である榊英雄氏からの性被害を具体的に明らかにしている。これらの告発は、日本の映像業界における性加害問題への注目を高める一因となった。

人物像としては、祖父からの影響で幼少期より映画に深く親しんできた。その映画への造詣の深さから、大林宣彦監督や長谷川和彦監督といった著名な映画監督らのトークイベントで司会を務めた経験も持つ。個人的な趣味としては、ひとり旅、映画鑑賞、料理、そして飲酒を挙げている。これらの多様な経験や関心が、彼女の表現活動に奥行きを与えていると言えるだろう。

睡蓮みどりの活動は映画出演にとどまらない。舞台作品にも出演しており、特に月蝕歌劇団などのアングラ系劇団の作品に参加している。テレビ番組への出演経験もあり、CSエンタ371「アイ☆スタ!」ではレギュラーを務めた。

文筆活動も精力的に行っており、『図書新聞』には2013年から現在に至るまで連載を続けている。他にも『週刊現代』『SPA!』『文學界』『群像』『芸術新潮』といった様々な雑誌に寄稿や写真が掲載されている。著書としては、映画に関する評論をまとめた『溺れた女 渇愛的偏愛映画論』（彩流社）や、写真集『BAD MOOD』（撮影：石黒健治、彩流社）がある。

ウェブ上でも活動を展開しており、月刊デジタルファクトリーでは「アンモラル」「黒白の手帖」「キネマトグラマー」など、複数の連載企画に参加し、写真や文章を発表している。また、「本編の無い架空の映画」をテーマにした写真展を開催するなど、表現の形態は多岐にわたる。

このように、睡蓮みどりは女優、文筆家、セルフプロデューサーとして、また社会的な発言者として、多方面で活動を続けている。その活動は、彼女自身の内面や経験を深く掘り下げると同時に、社会に対する鋭い視点も持ち合わせている。

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