瞳の奥をのぞかせて

ポルノグラフィティ30thシングル「瞳の奥をのぞかせて」：楽曲解説と制作背景

2010年2月10日、人気ロックバンド・ポルノグラフィティはSME Recordsより30枚目のシングル「瞳の奥をのぞかせて」をリリースしました。8thアルバム『∠TRIGGER』からのリードシングルとして、前作「アニマロッサ」から約2ヶ月半ぶりのリリースとなりました。

「瞳の奥をのぞかせて」：ドラマ主題歌と楽曲の魅力

この曲は、テレビ朝日系ドラマ『宿命 1969-2010 -ワンス・アポン・ア・タイム・イン・東京-』の主題歌として書き下ろされました。ポルノグラフィティがドラマ主題歌を手掛けるのは、「ジョバイロ」以来のことです。ドラマのテーマである「欲望」を反映し、歌詞は肌を重ねても心の奥底を見せない男性への女性の葛藤と焦燥感を繊細に表現しています。

作曲を担当した岡野氏は、楽曲制作について「世界のどこかにある伝統的な旋律と、ロックでポップなサビのメロディーを融合させたかった」と語っています。また、仮歌詞には「マタドール」という単語が登場していたことも明かされています。

特徴的なのは、NAOTO氏によるフィドルの音色です。プリプロ段階でNAOTO氏が演奏したフィドルのメロディーが、岡野氏の頭の中にあった曖昧なイメージを鮮明なものに変えたと言われています。岡野氏は後に、この楽曲について「新藤さん、本間さん、NAOTOさんとイメージしていた世界観が見事にマッチした、滅多にない楽曲だった」と振り返っています。

2009年の東京ドーム公演では「瞳の奥をのぞかせて」がタイトル未定の新曲として初披露され、その際はギターソロがホーンアレンジとなっていました。それから10年後に行われた二度目の東京ドーム公演では、岡野氏の弾き語り、そしてスペシャルゲストとして登場したNAOTO氏とのセッションで披露されました。

カップリング曲「Rainbow」：地元広島への想いを込めた応援歌

カップリング曲「Rainbow」は、『天皇杯全国都道府県対抗男子駅伝競走大会（ひろしま男子駅伝）』のテーマソングです。岡野氏が中学時代に陸上部に所属し、地元の駅伝大会に出場した経験から着想を得た、ランナーたちへの爽快な応援歌となっています。

岡野氏は「がむしゃら」感をイメージし、アコースティックギターを弾きながらフルテンションで制作したと語っています。歌詞のテーマは「虹」で、7区間を繋いでゴールを目指す駅伝選手の姿を、虹の7色に例えています。

サウンド面では、ストレートな歌詞の強さを際立たせるため、打ち込みのリズムにギターのサンプリングを取り入れるなど、独特のアレンジが施されています。また、新藤氏は初めて7弦ギターを使用し、力強いサウンドを生み出しています。

まとめ：オリコンチャートと商業的成功

「瞳の奥をのぞかせて」は、初動売上は5万枚を割るなど、当時のポルノグラフィティのシングルとしては最低の初動売上（デビューシングルを除く）を記録しました。週間オリコンシングルランキングでも最高4位となり、「メリッサ」から続いたTOP3入りは18作でストップしました。しかし、楽曲のクオリティの高さと、ドラマ主題歌としての高い認知度は、彼らの音楽性とキャリアにおける重要な位置付けを明確にしました。楽曲に込められたメッセージ、そして制作過程における様々なエピソードは、リスナーに深い感動を与え、長く記憶に残る一曲となっています。

参加ミュージシャン

瞳の奥をのぞかせて

Drums: 村石雅行
Bass: 根岸孝旨
Acoustic Guitar: 林部直樹
Violin: NAOTO
Strings: NAOTO Strings
Synthesist: 飯田高広
Piano, Organ, Tubular Bells & All Other Instruments: ak.homma

Rainbow

Synthesist: 飯田高広
* Piano, Organ, Tubular Bells & All Other Instruments: ak.homma

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