瞳はダイアモンド/蒼いフォトグラフ

瞳はダイアモンド／蒼いフォトグラフ

1983年10月28日にリリースされた松田聖子のシングル「瞳はダイアモンド／蒼いフォトグラフ」は、彼女の15枚目のシングルです。この作品は、聖子にとって初めての本格的な失恋ソングであり、その後の音楽活動にも大きな影響を与えました。

本作のリリース時期、聖子は前作「ガラスの林檎」のB面「SWEET MEMORIES」が好評を受け、オリコン週間シングルチャートで1位と2位を独占していました。初めは「瞳はダイアモンド」が単独のA面として発売されましたが、後に再プレス盤からは両A面仕様としてジャケットが変更され、両曲のフォントが同じ大きさで表記されることとなりました。

このシングルは、TBSの音楽番組「ザ・ベストテン」で、聖子としては最長となる8週連続1位を記録しました。特に印象深いのは1983年12月14日に放送された「欽ちゃんのどこまでやるの!」でのパフォーマンスです。茶の間のこたつで歌う聖子の姿は、今でも多くのファンの記憶に残っています。

また、本シングルに収録された2曲は、後にオリジナルアルバム『Canary』に英語タイトルで収められました。このアルバムでは、それぞれのタイトルが「Diamond Eyes」と「Photograph of Yesterdays」に変更されています。さらに、2004年には紙ジャケット仕様の完全生産限定盤として再リリースされました。

2021年にはセルフカバーとして「瞳はダイアモンド～Diamond Eyes～」が収録されたアルバム『SEIKO MATSUDA 2021』が発売され、同時にリリースされた『SEIKO MATSUDA 2020』デラックス・エディションには「蒼いフォトグラフ～Photograph of Yesterdays～」が収められています。

収録曲

1. 瞳はダイアモンド（4:17）
2. 蒼いフォトグラフ（3:56）
「蒼いフォトグラフ」は、TBSドラマ「青が散る」の主題歌としても知られています。作詞を担当した松本隆は、横浜港の赤レンガ倉庫一帯をイメージして詞を書いたと語っています。この楽曲は多くの人々に愛され、特に2008年に放送された『とんねるずのみなさんのおかげでした』では、松田のファンである矢島美容室のナオミが「蒼いフォトグラフ」を最も好きな曲として挙げています。

批評

音楽評論家の中川右介は、作詞担当の松本が演歌の「悲恋モノ」に対して否定的であったことを踏まえ、本作の歌詞が「自虐的ではなく、ドライで軽い」点を評価しています。彼によれば、松田聖子は「自己肯定的な失恋」をうたうことで、新たな地平を切り開いたとされています。

セルフカバーとカバーアーティスト

「瞳はダイアモンド」は、1991年にデニース・ウィリアムスがカバーし、2002年には平井堅もNHKの音楽番組で披露しました。また、松田聖子が作曲した「蒼いフォトグラフ」は、同じく1991年にニコレット・ラーソンによってカバーされています。これらの楽曲は多くのアーティストによって再解釈され、時代を超えた魅力を持っています。

このように「瞳はダイアモンド」と「蒼いフォトグラフ」は、松田聖子の音楽キャリアの中で重要な位置を占める作品であり、今でも多くのファンに愛され続けています。

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