矢内理絵子

矢内理絵子について

矢内理絵子（やうち りえこ、1980年1月10日生まれ）は、日本将棋連盟の女流棋士であり、埼玉県行田市に生まれ育ちました。身長165cm、血液型はO型で、関根茂九段の門下生として知られています。女流棋士番号は16で、2011年3月31日までは32番でした。彼女は本庄東高等学校を卒業しています。

経歴のハイライト

女流プロ入りまでの道のり

矢内は1990年4月に女流育成会に入会しました。彼女の将棋に対する情熱は、アマチュア四段の腕前を持つ父の影響から生まれましたが、最初は女流棋士になることを強く望んでいなかったと語っています。「気がついたらこの道に入り込んでいた」と回顧する彼女の姿が印象的です。

彼女は1993年4月1日に女流2級として公式デビューを果たし、同年の8月には奨励会に入会しました。この時、彼女は碓井涼子と木村さゆりとともに「奨励会3人娘」として注目を浴びました。若い頃には、対局中に悔しさのあまり自分の腕時計をトイレに投げつけたという逸話も持っています。このエピソードは、映画「とらばいゆ」でも触れられました。

初タイトル獲得

1995年10月、矢内は第6期女流王位戦に初めて挑戦しましたが、清水市代に敗れました。しかし、1997年に再挑戦した際にはフルセットの末に勝利を収め、初のタイトルである女流王位を獲得しました。彼女は女流三段に昇進しましたが、その翌年には再び清水に挑まれ、防衛には失敗しました。

続くタイトル戦と功績

1998年には、第12回レディースオープントーナメントで優勝を果たし、その後も数々のタイトル戦に挑んでいきます。2005年度には、第32期女流名人A級リーグでの活躍により満を持して女流名人となりました。この時、清水市代に対して3-0というストレート勝利を収め、長らくのタイトル未獲得を解消しました。

その後は、2006年度と2007年度に中井広恵や斎田晴子との対局で連覇を達成し、名実ともに日本の女流棋士のトップに立つ存在になりました。

活動範囲の広がり

さらに、矢内は2002年から2006年まで「囲碁・将棋ジャーナル」の司会を務め、その活動の幅を広げました。また、2007年には日本女子プロ将棋協会の設立準備委員を勤め、積極的に意見を交わしながら女流棋士界の発展に尽力しました。

現在の活動と私生活

矢内は2013年からは東京大学の客員准教授としても活動しており、将棋界のみならず、教育の分野でも影響を与えています。また、2013年秋には一般男性と結婚し、プライベートでも新たなスタートを切りました。

人物像と棋風

彼女は、手厚い指し方を得意とする居飛車党で、タイトル戦では常に和服を着用している姿が印象的です。趣味は映画鑑賞で、特にアクション作品を好みます。特技のピアノでは、アマチュア強豪クラスの腕前を持ち、過去には演奏会でのパフォーマンスも行ってきました。

座右の銘として「戦いは最後の5分間にある」というフレーズを掲げ、常に勝利への強い意志を持ち続けています。うなるような努力と挑戦を続ける彼女の活躍は、多くの将棋ファンに感動を与えています。

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