矢田の渡し

矢田の渡しについて

概要

矢田の渡し（やだのわたし）は、島根県松江市内にある渡し船です。この渡し船は大橋川を渡るためのもので、松江市朝酌町（あさくみちょう）と矢田町（やだちょう）の両岸を結んでいました。しかし、2020年10月19日以降は運行を休止しており、現在は利用できません。乗船料は有料でしたが、狐森島キャンプ場に向かう航路は今も運行されています。

運行が行われていた時期の2014年6月には、矢田渡船観光事業組合が松江市からの補助金を受けて運航していました。運行時間は平日の午前7時から9時までで、所要時間は約1分と短いものでした。乗船料は大人が40円、自転車は10円とリーズナブルでした。渡し船は左岸に待機しており、右岸の利用者は赤色の回転灯を点灯させて対岸の船を呼ぶ方式でした。

歴史

矢田の渡しの起源は古く、奈良時代にさかのぼるとされます。出雲国風土記には、朝酌促戸渡（あさくみのせとのわたり）が記録されており、これは千数百年の歴史を持つことを示唆しています。1970年代の矢田の渡しの利用者は年間5万人を超えていましたが、1981年にくにびき大橋、1989年に中海大橋、さらに2012年には松江だんだん道路の縁結び大橋が開通したことで、利用者数は大幅に減少しました。これに伴い、運航の夕方便は取りやめられました。

運航地域

矢田の渡しの左岸は北緯35度27分11.8秒、東経133度06分11.1秒に位置し、右岸は北緯35度27分09.3秒、東経133度06分07.4秒となっています。この位置関係は大橋川の流れにそっているため、利用者にとってもアクセスがしやすい場所でした。

船の詳細

2014年6月の段階で、矢田の渡しに使用されていたのは「矢田の渡し号」という動力船です。この船は総トン数4.9トンで、長さは10.1メートル、幅は2.98メートル、定員は28名となっています。1998年に建造されたこの船は、松江市が所有しており、地域の組合に無償で貸与されています。また、運行を行っていない時間帯には、予約に応じて「大橋川周遊コース」の運航にも利用されています。

現在の状況

現在、矢田の渡しは休航しているため、以前のような便利さや観光資源としての役割を果たしていません。しかし、地域住民にとっては長い歴史を持つこの渡し船は愛着があり、再開が望まれる声も多く、新たな観光資源としての存在が期待されています。

外部リンク

公式サイトを通じて、矢田渡船観光に関する最新情報が得られます。

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