矢野俊策

矢野俊策：TRPG界を牽引するゲームデザイナー

矢野俊策（1977年生まれ）は、テーブルトークRPG（TRPG）のゲームデザイナー、ライターとして知られています。現在は株式会社フラッグノーツの代表取締役を務め、TRPG業界で多岐にわたる活動を続けています。彼の代表作である『ダブルクロス』シリーズは、多くのプレイヤーに愛され、TRPG界に大きな影響を与えました。

TRPGとの出会いと初期の活動

矢野氏がTRPGと出会ったのは、中学生時代。クラスメイトがプレイしていた『ロードス島戦記コンパニオン』のセッションに偶然参加したことがきっかけでした。その後、第1回ゲーム・フィールド大賞に「ユニバーサル・ガーディアン」で入賞し、その才能を開花させます。

2001年7月には、「ユニバーサル・ガーディアン」をリファインした『ダブルクロス』がゲーム・フィールド（F.E.A.R.の出版部門）から発売。これを機に、矢野氏はF.E.A.R.に入社し、本格的にゲームデザイナーとしてのキャリアをスタートさせました。

F.E.A.R.での活躍と独立

F.E.A.R.入社後、矢野氏は『ダブルクロス』シリーズの発展に大きく貢献しました。『ダブルクロス The 2nd Edition』、『ダブルクロス The 3rd Edition』の作成、サプリメントやリプレイのデザイン・執筆を手がける傍ら、『BEAST BIND NEW TESTAMENT 新約・魔獣の絆』のリファイン・デザイン、『ニルヴァーナ』のプロデュース、『アリアンロッドRPG 2E』のディベロップメントなど、幅広いプロジェクトに携わりました。

2009年、『ダブルクロス』の『The 3rd Edition』への移行と同時期にF.E.A.R.を退社し、独立。独立後も『ダブルクロス The 3rd Edition』のメンテナンスなどでF.E.A.R.との連携を続けました。

独立後の2012年8月、ジャパン・ゲーム・コンベンション（JGC）にて、水野良氏との共作による新作『グランクレストRPG』を2013年に発表し、新たなファン層を開拓しました。

ゲームマスターとしてのスタイル

矢野氏は、ゲームマスターとして、PC（プレイヤーキャラクター）、特に主人公格を徹底的に追い詰め、そこから這い上がらせるシナリオとマスタリングを重視します。キャンペーン序盤では、「自分（PC）は何者なのか」というテーマを立て、プレイヤーに深く考えさせるようなゲーム展開を好みます。このスタイルは、『ダブルクロス・リプレイ・ナイツ』や『明日へのプロファイル』などで語られています。

人柄とエピソード

矢野氏は、梅干しが苦手で、老人キャラクターを好むという一面も持ち合わせています。シナリオ中に老人キャラクターが登場すると、特に喜ぶとのこと。この好みは、自身の祖父に由来するそうです。

また、『アリアンロッド・サガ・リプレイ (5) 激闘のピースメーカー』では、乗馬学校に通っていた過去を明かしました。祖父が学生時代に乗馬部に所属していた縁で乗馬を始めたものの、落馬事故で怪我を負ったことがあり、現在は「駆け足はトラウマになるくらい怖い」と語っています。

主要作品

ダブルクロス：シリーズを通してゲームデザインを手がける代表作。様々なエディションやサプリメントが展開されています。
BEAST BIND NEW TESTAMENT 新約・魔獣の絆：システムデザインを担当。
* グランクレストRPG：水野良氏との共作。

TRPG界において、矢野俊策氏は、その創造性とゲームデザインの才能で多くのファンを魅了し続けています。

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