矢野沙織

矢野沙織について

矢野沙織（やの さおり）は1986年10月27日に東京都大田区で生まれたジャズミュージシャンで、主にアルトサクソフォンを演奏します。彼女の音楽の旅は、小学校4年生の時にブラスバンド部でサクソフォンを担当することから始まりました。この頃からジャズへの興味が芽生え、特に小学6年生のときにジャコ・パストリアスのアルバム『ジャコ・パストリアスの肖像』に収録されている「Donna Lee」に深く感動したことが、彼女の演奏スタイルに影響を与えることとなります。

14歳からのライブ活動を経て、矢野は池田篤に師事しながら本格的な演奏技術を磨きました。中学を卒業した後、アメリカに渡り、ニューヨークのレストラン等で演奏し、その才能を広く発信しています。彼女は2003年9月25日にアルバム『YANOSAORI』で正式にデビュー。以降、彼女の音楽キャリアは急速に成長を遂げました。

2005年には、著名なジャズドラマーであるジミー・コブとの共演ライブを実現し、その際に彼から「日本のキャノンボール・アダレイ」と称賛されました。矢野はこのように他の音楽家とのコラボレーションを通じて大きな評価を受けました。さらに、彼女の5枚目のアルバム「Groovin' High」では、スライド・ハンプトンやジミー・ヒース、ランディ・ブレッカーなど、ジャズの巨匠たちと共演を果たします。その後、ジャズ界で活躍するムーディーとの親交が深まり、カリフォルニアで2週間に亘る集中的なレッスンを受けるなどし、更なる成長を遂げました。

矢野沙織は音楽活動の中で様々なメディアにも出演し、テレビ朝日系「報道ステーション」の初代オープニングテーマソングとして、松永貴志と共に「Open Mind」を演奏しました。また、2007年には花王ASIENCEのCMに楽曲「I & I」 を提供し、自身も出演することで、多くの人々に印象を残しました。

彼女はデビューから10年を迎えた2007年には初のベストアルバムをリリースし、日本ゴールドディスク大賞よりジャズ・アルバム・オブ・ザ・イヤーを受賞します。この頃の彼女の音楽は、ジャズの枠を超えて多くのリスナーに愛されました。

その後もアルバムのリリースを続け、2008年にはビリー・ホリデイのトリビュートアルバム『Gloomy Sunday』をリリースし、その表現力の高さで大きな話題を呼びました。2010年には『BEBOP at the SAVOY』を発表し、さらに2012年には世界的トランペッター日野皓正を迎えた原点回帰のアルバムをリリースしました。

2015年には通算11枚目となるアルバム『Bubble Bubble Bebop』をリリースし、さまざまなジャンルを融合させながらも、ビバップの要素を重視した作品を作り上げました。

プライベートでは、2017年と2020年にはそれぞれ長女と次女が誕生し、母としての顔も持つようになりました。さらに2022年には新たなプロジェクト「House of Jaxx」を始動し、ファーストアルバムをリリースしています。

彼女はジャズ界だけでなく、テレビやCMにも幅広く出演し、多くの人々に親しまれています。矢野沙織の音楽は、今後も多くのリスナーを魅了し続けることでしょう。

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