矢野誠

矢野誠（やの まこと）について

矢野誠（やの まこと）は、1952年5月27日に生まれた日本の経済学者で、京都大学経済研究所の教授として、また日本学術会議の会員としても活躍しています。彼は、経済動学、ミクロ経済学、国際経済学、数理経済学、法と経済学など、広範な研究分野に従事しています。また、ロチェスター大学で取得したPh.D.（1981年）の学位が示すように、その学問的なバックグラウンドも非常に豊かです。

学歴と経歴

矢野は、1977年に東京大学経済学部を卒業後、1980年にロチェスター大学で経済学専攻の修士号を取得しました。続いて、1981年には博士号を授与され、博士論文では「貿易、資本蓄積及び競争市場」について研究を行いました。彼の指導教官は、経済学界の著名な学者であるライオネル・マッケンジーとロナルド・ジョーンズでした。

その後、矢野はアメリカのコーネル大学やラトガース大学で助教授としてのキャリアをスタートさせ、1986年には横浜国立大学の助教授に就任しました。さらに、南カリフォルニア大学で客員準教授を務めた後、1994年には横浜国立大学で教授に昇格しました。1996年からは慶應義塾大学経済学部教授としても活動し、2007年以降は京都大学経済研究所で教授を務めています。また、同時にファイナンス研究部門の教授も担っており、2010年にはその部門を改組し、金融工学研究センターの教授となっています。時折客員教授として慶應義塾大学に戻り、さまざまな役職を歴任してきました。

研究と業績

矢野の研究は多岐にわたりますが、特に経済動学やミクロ経済学の理論的分析において顕著です。彼は「市場の質に関する理論形成」といったCOEプログラムの理論分析班のリーダーを務め、学際的な研究の推進にも寄与しています。彼の豊富な実績は、学会活動にも見られ、さまざまな経済学関連雑誌での編集や運営に関与してきました。特に日本経済学会の会長を務めたことからも、彼の影響力の大きさが伺えます。

著書と受賞歴

著書には『ミクロ経済学の基礎』や『市場競争と市場価格』など、多様なテーマを扱ったものがあります。特に『マクロ経済動学』は、共著者とともに第51回日経・経済図書文化賞を受賞し、注目を集めました。彼の受賞歴には、2002年の福澤賞や、2008年の日本経済学会法人化委員会委員長を務めた際の受賞歴が含まれています。

現在の活動

現在、矢野は経済産業研究所の理事長としても活動しており、さらなる経済政策の研究と実践に邁進しています。その豊富な知識と幅広い視点を活かし、日本国内外での経済学の発展に引き続き貢献することが期待されています。

彼のホームページには、彼の研究内容や活動が詳細に掲載されており、学生や研究者、一般の人々にとっても貴重な情報源となっています。

もう一度検索