知多市立中央図書館とは？意味をやさしく解説

知多市立中央図書館

知多市立中央図書館は、愛知県知多市岡田宝ノ脇に位置する公共図書館です。33万冊を超える蔵書を誇り、年間50万冊以上の貸し出しが行われています。この図書館は、その歴史の中で地域社会の文化と教育に貢献してきました。

歴史

図書館条例制定前（1939年～1980年）

知多市立中央図書館の歴史は、1939年12月22日に八幡町立図書館として始まりました。当時は八幡第一尋常高等小学校内に設置され、小学校長が図書館長を兼任、教員が司書を兼務するという体制でした。設立当初の予算はわずか30円、蔵書数は124冊という小さな図書館でした。

太平洋戦争後の学制改革に伴い、1947年には蔵書が八幡中学校に移管されました。この時、専用の図書室はなく、廊下の一角に書棚が置かれるという状況でした。その後、1955年には合併により知多町が発足し、1956年には図書館の管理が公民館長に移管されました。

1970年に知多町が市制を施行し知多市となると、図書館は知多市立八幡図書館と改称しました。1972年には八幡公民館内に移転しましたが、図書館法における「図書館」としての扱いではありませんでした。1980年3月31日時点での蔵書数は10,589冊でした。

知多市立中央図書館（1980年～）

1978年に図書館建設構想が打ち出され、1980年8月に知多市立中央図書館が開館しました。開館時の蔵書数は30,011冊でした。開館後には、月刊の「図書館だより」の発行やボランティアの養成、移動図書館車の運行など、様々な活動が展開されました。

1986年には日本図書館協会から高い評価を受け、1987年からは図書館まつりが開催されました。1999年には開館時間が19時まで延長され、貸出点数も10点に増やされました。また、駐車場も拡張されました。2000年には「こども読書年」を記念して講演会が開催され、2003年には竹内理三氏の遺品が寄贈されるなど、様々なイベントや取り組みが行われました。

2009年からは指定管理者制度が導入され、開館時間が9時に早められました。高齢者や障害者向けの宅配貸出サービスも開始されました。2010年には開館30周年を記念した様々なイベントが開催され、蔵書へのICタグ貼付と自動貸出機の導入も行われました。その後も、文学講演会やワークショップなど、多岐にわたる活動が展開されています。

2017年には、図書館を含む複合商業施設を駅周辺に誘致する計画が提案され、将来的な図書館の発展が期待されています。

指定管理者制度導入後

指定管理者制度導入以降、図書館の運営はより専門的な知識やノウハウを持つ団体に委ねられるようになりました。これにより、開館時間の延長やデータベースの閲覧サービス導入、イベントの充実など、利用者の利便性向上に繋がる様々な改善がなされました。

図書館の運営は、大新東ヒューマンサービス株式会社、株式会社図書館流通センターを経て、現在は株式会社図書館流通センターが指定管理者となっています。

公民館図書室

知多市には、知多市立中央図書館の他に、旭、東部、八幡の3つのまちづくりセンターに図書室があります。これらの図書室は、地域住民の身近な学習拠点として活用されています。

- 旭まちづくりセンター図書室: 床面積70m2、蔵書数9,344冊（2016年度末）
- 東部まちづくりセンター図書室: 床面積44m2、蔵書数9,132冊（2016年度末）
- 八幡コミュニティセンター図書室: 床面積90m2、蔵書数11,674冊（2016年度末）

これらの図書室は、中央図書館と連携しており、図書の相互返却や予約貸出が可能です。また、視覚障害者向けの録音図書の郵送貸出も行っています。

利用案内

中央図書館では、図書の貸し出しだけでなく、参考図書室の一角には「竹内理三博士コーナー」が設置されています。竹内氏の遺族から寄贈された貴重な資料が多数所蔵されており、地域文化の振興に貢献しています。

竹内理三博士コーナー

このコーナーには、竹内理三氏の遺族から寄贈された1,968冊の書籍、134冊の雑誌製本、373冊の図書、合計2,475冊が所蔵されています。中には、1943年から1992年までの長期にわたり編集・刊行された『寧楽遺文』、『平安遺文』、『鎌倉遺文』など、貴重な歴史資料が含まれています。

まとめ

知多市立中央図書館は、地域住民にとってなくてはならない存在です。歴史ある図書館であるとともに、常に時代に合わせたサービスを提供し、地域の文化と教育の発展に貢献しています。

知多市立中央図書館