知花昌一

知花昌一について

知花昌一（ちばな しょういち）は、1948年5月11日に沖縄県で生まれました。平和運動家、反戦地主、そして真宗大谷派の僧侶という多様な側面を持ち合わせています。彼は、1998年から2010年まで読谷村議会議員を務め、地域社会にも貢献しました。

生い立ちと平和運動への目覚め

沖縄大学を中退後、学生時代には自治会委員長として復帰闘争に参加しました。その後、スーパーマーケットや民宿を経営する傍ら、沖縄戦の集団自決の調査や、平和運動に積極的に関わります。知花氏の平和運動の原点は、沖縄の歴史と現実に対する深い理解と、強い使命感に基づいています。

沖縄国体日の丸焼却事件

1987年10月26日、読谷平和の森球場で開催された第42回国民体育大会のソフトボール競技会開会式で、知花氏は掲揚台から日の丸を引き下ろし、焼き捨てるという衝撃的な行動に出ました。この行為は、天皇の戦後初の沖縄訪問によって高まる、日の丸・君が代の強制に対する抵抗の意思表示でした。この事件により、知花氏は1989年に第1回多田謡子反権力人権賞を受賞しますが、1995年の控訴審判決で建造物侵入罪、器物損壊罪、威力業務妨害罪により懲役1年、執行猶予3年の有罪判決が確定します。

米軍基地との闘い

1995年、大田昌秀沖縄県知事が土地強制使用の代理署名を拒否したことを契機に、知花氏は自身の所有地が米軍に不当に占拠されていることに異議を唱え、1996年4月には楚辺通信所（通称、象のオリ）内の所有地返還を求めて、家族とともに明け渡し訴訟を起こします。しかし、日本政府は翌1997年4月、米軍用地特別措置法を改正し、使用期限を事実上、半永久的に延長可能としました。また、不法占拠状態に対して国に国家賠償訴訟を提起しましたが、国が供託金を既に払っていることを理由に請求を棄却する判決が2003年11月に確定しました。

その後、代替施設が金武町キャンプ・ハンセン内に設置されたため、遊休施設となったこの土地は同特措法による延長使用期限が切れる2006年7月31日に知花氏に返還されました。施設内の他の借用地も同年末にすべての地主に返還されています。

著書と関連書籍

知花氏は、自身の経験や思想をまとめた多くの著書を出版しています。主な著書には、『焼きすてられた日の丸 基地の島・沖縄読谷から』や、その増補版、英訳版『Burning the rising sun』などがあります。これらの著書を通して、沖縄の基地問題や平和への思いを広く訴えています。

また、知花氏の活動や思想に焦点を当てた関連書籍も複数出版されています。これらの書籍は、知花氏の行動や考え方をより深く理解する上で貴重な資料となります。

知花昌一氏は、沖縄の平和運動において重要な役割を果たしてきた人物です。彼の行動や発言は、沖縄の基地問題だけでなく、日本の平和を考える上で、重要な示唆を与え続けています。

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