知花朝信

知花 朝信（ちばな ちょうしん）

知花朝信は1885年6月5日に生まれ、1969年2月26日に亡くなった沖縄の著名な空手家です。特に小林流の創立者として知られ、多くの弟子にその教えを伝えました。彼の影響力は、空手の発展に大きく寄与したとされています。

生い立ち

知花は、明治18年（1885年）、首里鳥堀村（現在の那覇市首里鳥堀町）で生まれました。その家族は沖縄の王族と繋がりがあり、知花家は尚質王の第五王子、東風平王子朝春を祖とする家系でした。この為、幼少期から空手に触れる環境が整っていました。

彼の叔父である知花朝章は初代首里区長を務めた政治家であり、松村宗棍の門下生でもありました。このような背景から、知花は幼少期より武道に対する関心を抱いて育ちました。

武道の修行

知花は1899年の8月、15歳の時に首里手の大家・糸洲安恒に師事し、唐手（現在の空手）の修行を始めました。最初の入門の際、彼は容易には受け入れてもらえず、三度目の正直でようやく弟子入りが許されました。この試練は、若い知花の根気と決意を見極めるためのものでした。

糸洲の下で13年間修行した後、知花は独自に修行を続け、1918年には島堀町に道場を開設しました。次第に道場を那覇区久茂地町に移し、空手の指導を本格化させました。1926年には「沖縄唐手研究倶楽部」に参加し、他の著名な空手家たちとともに共同研究を行い、さらなる技術向上に努めました。1933年には自身の流派を小林流と名付け、その後大日本武徳会沖縄支部に参加し、多くの演武会やイベントで活躍しました。

戦後の活動

第二次世界大戦後、知花は首里に戻り、すぐに空手の指導を再開しました。1948年には沖縄小林流空手道協会を結成し、初代会長に就任しました。この協会は沖縄における空手文化の発展に寄与し、多くの新しい弟子を育成しました。さらに、1954年から1958年までの4年間は、首里警察署で空手の師範としても活動しました。

晩年

1956年には沖縄空手道連盟が設立され、初代会長に選ばれました。また、1964年には糸洲安恒の死去50周年を記念し、彼の墓所に顕彰碑を建立しました。その後も沖縄の空手文化の発展に尽力し続け、1968年には勲四等瑞宝章を受賞しました。

知花は1969年に83歳で亡くなりましたが、彼の教えや技術は今なお多くの弟子たちに受け継がれています。特に「パッサイの型」を得意としており、弟子たちの中でも著名な存在である宮平勝哉、仲里周五郎、比嘉佑直などが彼の教えを受け継ぎ、それぞれの流派や道場で活躍しています。

参考文献

• - 村上勝美『空手道と琉球古武道』成美堂出版

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