矯正について
矯正とは、犯罪を犯した者に対し、
刑罰を科すことでその責任を問うとともに、その
更生と
社会復帰を促すための様々な活動の総称です。具体的には、被収容者を
拘禁し、刑務作業や教育プログラムなどを通して、社会に適応できる能力を養うことを目指します。また、
病気を抱える受刑者に対しては、適切な
医療を提供することも重要な役割です。
日本における矯正
日本では、矯正に関する事務は
法務省矯正局が管轄しています。
矯正施設には、
刑務所、少年
刑務所、
拘置所、
少年院、
少年鑑別所、
婦人補導院などが含まれます。これらの施設では、被収容者の年齢や犯罪の種類、状況に応じて、適切な処遇がなされます。また、
矯正施設に準じる施設として
児童自立支援施設があり、家庭環境に恵まれない児童の自立を支援しています。
刑務所: 懲役刑や禁錮刑が確定した受刑者を収容し、刑罰を執行するとともに、更生のための指導や教育を行います。
少年刑務所: 少年受刑者を収容し、成人受刑者とは異なる処遇を行います。特に教育に重点を置き、
社会復帰に向けた支援を行います。
拘置所: 逮捕・勾留された被疑者や被告人を収容する施設です。裁判が終わるまで、逃亡や証拠隠滅を防ぐ役割を担います。
少年院: 家庭裁判所から保護処分として送致された少年を収容し、
更生のための教育や指導を行います。
少年鑑別所: 家庭裁判所が審判を行う際に、少年の資質や環境を調査・判断する施設です。
婦人補導院: 売春防止法によって補導処分を受けた婦女子を収容し、
社会復帰のための指導を行います。
矯正における関係者の役割
矯正の現場では、
法務省の職員だけでなく、様々な人々が協力しています。
教誨師: 宗教家として、受刑者の精神的な支えとなる活動を行います。
篤志面接委員: 民間
ボランティアとして、受刑者の相談に応じ、
更生を支援します。
医療関係者: 受刑者の健康管理や治療を担当します。
矯正の目的と課題
矯正の主な目的は、犯罪者の再犯防止と社会復帰を支援することです。しかし、受刑者の抱える問題は多岐にわたり、薬物依存や精神疾患、貧困など、様々な要因が複雑に絡み合っているため、矯正は容易ではありません。社会全体で受刑者の更生を支援する体制づくりが求められています。
関連用語
刑事政策: 犯罪の原因や対策を研究し、社会の安全を確保するための政策。
矯正局: 法務省の内部部局の一つで、矯正行政を所管。
矯正施設:
刑務所、少年
刑務所、
拘置所、
少年院、
少年鑑別所、
婦人補導院などの総称。
更生保護: 刑務所出所者や保護観察対象者の社会復帰を支援する活動。
刑罰: 犯罪に対する制裁として科される懲役、禁錮、罰金など。
保護処分: 少年犯罪に対して、家庭裁判所が決定する処分。保護観察や少年院送致など。
参考情報
法務省矯正局
財団法人矯正協会
矯正図書館