石井均

石井均：昭和を彩った喜劇役者の生涯

石井均（いしい きん）は、1927年11月30日に生まれ、1997年12月31日に没した日本の俳優、そして卓越した喜劇役者です。彼の人生は、日本の演芸界に数々の足跡を残しました。

生い立ちと初期のキャリア

大分県豊後高田市是永町出身の石井均は、石原仁という本名を持ちます。芸名の由来は「一獲千金」から来ており、彼のユーモアと才知が表れています。熊本逓信講習所を卒業後、1948年に八幡の寿座で初舞台を踏み、旅回りの役者としてキャリアをスタートさせました。

新宿フランス座での飛躍と「石井均一座」

1956年、石井は新宿フランス座に加入し、体技型のコメディアンとしてその才能を開花させます。1958年6月には、自ら軽演劇一座「笑う仲間」を旗揚げし、後に「石井均一座」と改名。新宿松竹演芸場を拠点に、戸塚睦夫をはじめ、伊東四朗（当時は伊藤証）や財津一郎（当時は財津肇メ）など、後に大成する弟子たちを育てました。

大阪での活動とキンコンカントリオ

1961年10月、「石井均一座」を解散後、石井は大阪へ渡り、敬愛する曾我廼家十吾が立ち上げた第二次「松竹家庭劇」に参加します。しかし、劇団の解散に伴い東京へ戻ります。この大阪時代には、西川きよしを弟子として迎えました。1969年11月には、東京12チャンネル（現：テレビ東京）でレギュラー番組「爆笑愚連隊キン・コン・カン!!」がスタートし、谷幹一、大村崑と共にキンコンカントリオとして一世を風靡しました。

晩年と数々の作品

1981年11月、「松竹新喜楽座」の座長に就任し、舞台を中心に活躍しました。映画では「がめつい奴は損をする」や「カメラ・トップ屋」、舞台では「街燈」や「あかんたれ」、テレビドラマではNHK「繭子ひとり」や金曜ドラマ「ふぞろいの林檎たち」など、数多くの代表作に出演。「男はつらいよ」シリーズなど、脇役としても存在感を発揮しました。また、高田文吾というペンネームで芝居の脚本も手がけていました。

1997年12月31日、肺炎により70歳で逝去。彼の功績は、今も多くの人々に記憶されています。

主な出演作品

テレビ番組
てなもんや三度笠（1962年 - 1968年、ABC）
爆笑愚連隊キン・コン・カン!!（1969年 - 1970年、東京12チャンネル）
繭子ひとり（1971年 - 1972年、NHK）
ふぞろいの林檎たち （1983年、TBS）
映画
いいかげん馬鹿（1964年）
男はつらいよ 寅次郎頑張れ!（1977年）
* キネマの天地（1986年）

弟子たち

石井均は、伊東四朗、財津一郎、西川きよしなど、多くの才能ある弟子を育てました。さらに、西川きよしの弟子である西川のりお、西川まさと、そして西川のりおの弟子である西川小のりなど、彼の系譜は演芸界に深く根付いています。

石井均は、そのユーモアと才能で、日本の演芸界に多大な貢献をしました。彼の残した作品と、彼が育てた弟子たちは、これからも多くの人々に笑いと感動を与え続けるでしょう。

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