石井好博

石井好博

石井好博（いしい よしひろ、1949年4月3日 - 2023年11月26日）は、日本の著名な高校野球指導者。千葉県習志野市立習志野高等学校の野球部監督として名を馳せ、晩年は東葉高等学校の野球部監督を務めた。

生涯と経歴

1949年、千葉県安房郡千倉町（現在の南房総市）に生まれた石井は、地元の中学校を経て1965年に習志野高校へ入学し、野球部に入部する。2年生からエース投手として活躍。1966年の夏の甲子園県予選では準決勝まで進むも敗退するが、翌1967年にはエースとしてチームを牽引し、東関東大会を勝ち抜き夏の甲子園本大会へ出場する。市原弘道監督のもと、決勝戦で広陵高校を破り、千葉県勢として初めての全国優勝という快挙を成し遂げた。当時のチームメイトには醍醐恒男捕手や池田和雄外野手らがおり、甲子園優勝後には醍醐らと共に全日本高校選抜メンバーとしてアメリカ・ハワイ遠征にも参加した。

高校卒業後の1968年、早稲田大学に進学し硬式野球部に所属するが、肩の故障により選手としての道を断念。高校野球の指導者を目指すこととなる。1972年3月に早稲田大学を卒業後、同年4月には母校である習志野高校に赴任し、すぐに野球部監督に就任した。

監督として手腕を発揮し、就任からわずか3年後の1975年、エース小川淳司（のちヤクルト監督）らを擁して再び夏の甲子園に出場。決勝では新居浜商業に対し、9回裏に劇的なサヨナラ勝利を収め、自身としては選手・監督として2度目、習志野高校としても2度目の全国制覇を達成した。この快挙は、同じ学校で選手としても監督としても全国優勝を果たすという、極めて稀な記録として語り継がれている。

その後も習志野高校を率いて甲子園にたびたび出場し、特に1987年夏にはベスト8に進出するなど、強豪校としての地位を確立した。習志野高校監督時代には、掛布雅之、小川淳司、城友博、野口寿浩、福浦和也といった、後にプロ野球や社会人野球で活躍する数多くの優れた選手たちを育て上げた。

2013年8月からは、千葉県にある東葉高等学校硬式野球部の監督に就任し、新たな環境で指導を続けた。

逝去

2023年11月26日、千葉県成田市で開催されていた少年野球大会に招かれていた際に体調の異変を訴え、病院に搬送されたが、同日中に帰らぬ人となった。享年74歳。

監督としての甲子園成績

春季大会：出場2回、1勝2敗
1975年春：●0-3 豊見城
1976年春：○8-7 大社、●3-4 東洋大姫路
夏季大会：出場4回、9勝3敗
1972年夏：●3-5 東洋大姫路
1975年夏：○8-5 旭川龍谷、○2-0 足利学園、○16-0 磐城、○4-0 広島商、○6-5 新居浜商 （優勝）
1980年夏：○2-1 倉吉北、●0-7 東北
1987年夏：○3-2 東筑、○5-2 上田、○12-4 佐賀工、●1-4 PL学園 （ベスト8）
* 合計：出場6回、10勝5敗、優勝1回、ベスト8 1回

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