城友博

城 友博（じょう ともひろ）

1969年4月30日生まれ、千葉県習志野市出身の元プロ野球選手（外野手）。右投右打。

経歴

野球は中学時代に捕手として始めました。習志野高校では、3年次の1987年にリードオフマンとして1番・センターのポジションにつき、チームを第69回全国高等学校野球選手権大会（夏の甲子園）へと導きました。その大会でチームはベスト8まで勝ち進み、特に城選手の俊足が高く評価されました。同年秋のプロ野球ドラフト会議では、ヤクルトスワローズから6位指名を受け、プロ野球選手としてのキャリアをスタートさせます。

入団後、ファームであるイースタン・リーグではその才能が開花。1990年シーズンにはリーグの盗塁王と最多安打を獲得し、同年には念願の一軍初出場も果たしました。翌1991年シーズンもイースタン・リーグで連続して盗塁王を獲得するなど、二軍で実績を積み重ねます。

1992年シーズンにはついに一軍に定着し、83試合に出場。持ち前のスピードと外野守備でチームに貢献し、ヤクルトの14年ぶりとなるリーグ優勝の立役者の一人となりました。続く1993年シーズンには、レギュラー中堅手の飯田哲也選手の負傷もあり、主にセンターとして96試合に出場し、チームを支えました。

順調にキャリアを重ねていましたが、1997年シーズン中に自家用車で停車していた際にトラックに追突される事故に見舞われ、椎間板を損傷。この怪我が結果的に選手生命を縮めることとなりました。1998年シーズンオフにヤクルトを自由契約となり、新たな活躍の場を求め、阪神タイガースのテストを受けて入団します。しかし、阪神でも期待通りの活躍はできず、1999年シーズンオフに再び自由契約となり、現役を引退しました。

人物

現役時代、特に1990年代前半のヤクルトスワローズにおいて、城選手は若手選手の中でもひときわ高い人気を誇っていました。プロ野球専門誌「プロ野球ai」が実施する人気投票企画では、常に上位に名を連ね、一度は1位を獲得するなど、女性ファンを中心に絶大な支持を集めていました。

当時のヤクルト監督であった野村克也氏は、選手の長髪や茶髪、ヒゲを嫌うことで知られていましたが、城選手も監督就任後間もなく茶髪であることを指摘されました。野村監督の指示により髪を黒く染めましたが、実は城選手の髪色は生来の茶髪であり、染めていたわけではありませんでした。後にこの事実を知った野村監督は、城選手の素直さや人間性を高く評価したと言われています。城選手がヤクルトを自由契約になった後、阪神タイガースのテストを受け入団した背景には、こうした野村監督との個人的な縁があったとされています。

引退後

城選手は、現役の後年に差し掛かった頃から、「いつか野球界を離れたら起業したい」という強い志を持っていたと語っています。引退後はすぐに事業を始めるのではなく、起業家を育成する団体などで経営やビジネスについて学びを深めました。その後、麻布十番でレストランとクラブを兼ねた「LUNErS（ルネス）」を開業するなど、実業家としての一歩を踏み出しました（LUNErSは2003年9月28日に閉店）。

現在は、「J-SHIP株式会社」の代表取締役社長を務め、主に大学硬式野球部の学生など、アスリート学生の就職活動をサポートする活動に尽力しています。全国の大学の部活動を訪問し、学生たちに向けて就職に関するセミナーを開催するなど、キャリアコンサルタントとして、アスリートのセカンドキャリア支援に情熱を注いでいます。

記録

初出場・初先発出場・初打席・初安打・初盗塁：1990年10月8日 対広島東洋カープ戦（広島市民球場）
初出場：秦真司選手の代走として
初先発出場：2番・中堅手として
初打席・初安打：1回表、佐々岡真司投手から
初盗塁：1回表二盗（投手：佐々岡真司、捕手：達川光男）
初本塁打：1993年6月17日 対阪神タイガース戦（神宮球場）、3回裏に御子柴進投手から2ラン

背番号

60（1988年 - 1991年）
00（1992年 - 1993年、1999年）
* 0（1994年 - 1998年）

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