石井岳龍

石井 岳龍（いしい がくりゅう）

石井岳龍は1957年1月15日に福岡県福岡市に生まれ、独自の映画世界を築き上げた日本の映画監督です。元々は石井聰亙という名前で活動していましたが、2010年以降は岳龍の名で知られるようになりました。 福岡県立福岡高校を卒業後、日本大学芸術学部に進学しましたが、中退。その後すぐに自主映画の制作に取り組み始め、1976年には「狂映舎」という自主映画グループを設立しました。

彼の映画キャリアは、8mm映画デビュー作『高校大パニック』と共にスタートします。この作品は彼の名を広めるきっかけとなり、1978年には日活がリメイクすることになります。この年、石井は『突撃!!博多愚連隊』に携わり、一躍注目を集めました。これにより、彼はインディーズ映画界の重要人物としての地位を確立しました。

1980年には長編作品『狂い咲きサンダーロード』を発表し、以降も多くの独創的な作品を世に送り出しました。1982年には、自主映画活動の集大成となる『爆裂都市 BURST CITY』を制作。その後、1984年に『逆噴射家族』を発表し、国内外で高い評価を受けました。この作品はベルリン国際映画祭で注目され、イタリアの映画祭でもグランプリを受賞するなど、石井の名声を確立しました。

また、石井はミュージシャンとしても活躍し、自らのバンド「石井聰亙&バチラス・アーミー・プロジェクト」を結成しました。彼は映画『アジアの逆襲』の音楽を担当し、その際に同名のレコードもリリースしました。しかし、1984年以降は長編作の制作が途絶え、約10年間の空白期間が続きました。未完の企画としては、『GOD STONE』や『虹のキリン』などがあり、多くのプロジェクトが実現を待つ状況でした。

1993年にはWOWOWのオムニバスドラマ『TOKYO BLOOD』を監督し、その後、1994年に『エンジェル・ダスト』が公開され、バーミンガム映画祭でグランプリを受賞しました。以降も『水の中の八月』や『ユメノ銀河』など、数々の作品を発表し続けました。2000年に公開された『五条霊戦記』は、時代劇とSFXを融合させた異色の作品であり、多くの注目を集めました。

21世紀に入ってからの彼は、映画『ELECTRIC DRAGON 80000V』や『DEAD END RUN』などを制作し、また2005年にはフルデジタル製作の『鏡心・3Dサウンド完全版』を発表しました。2006年には監督生活30周年を迎え、記念の初期作品集をリリースしました。2010年、彼は全ての活動を石井岳龍の名前で行うことを宣言し、さまざまな理由を挙げて改名の決意を明らかにしました。

影響を受けた映画としては、深作欣二監督の『仁義なき戦い』や神代辰巳監督の作品を挙げており、自らの映画制作においてもその影響を色濃く反映させています。

代表的な監督作品

• - 高校大パニック（1976年）
• - 狂い咲きサンダーロード（1980年）
• - 爆裂都市 BURST CITY（1982年）
• - 逆噴射家族（1984年）
• - エンジェル・ダスト（1994年）
• - 五条霊戦記（2000年）
• - ELECTRIC DRAGON 80000V（2001年）
• - パンク侍、斬られて候（2018年）
• - 自分革命映画闘争（2023年）

このように、石井岳龍は映画界に多大な影響を与え続ける存在であり、その作品は今でも多くのファンに支持されています。

もう一度検索