石井悌

石井 悌（いしい てい）

石井悌（1894年8月6日 - 1959年11月19日）は、日本の著名な昆虫学者です。彼は、病害虫防除、農業昆虫、特に寄生バチの研究において顕著な業績を残し、日本の農業に大きく貢献しました。

生涯

石井悌は神奈川県出身。東京帝国大学農科大学実科を卒業後、農商務省に入省し、農事試験場にて技手としてキャリアをスタートさせました。1932年には、「日本産跳小蜂亜科ニ関スル研究(英文)」と題する論文で東京大学より農学博士の学位を取得しました。

1935年、石井は東京高等農林学校（現在の東京農工大学）教授に就任し、後進の育成に尽力しました。その後、日本植物防疫協会の常務理事兼研究所長として、また日本応用動物昆虫学会の評議員・会計監査としても活躍しました。

業績

石井悌の研究は、病害虫の防除、農業に影響を与える昆虫、そして寄生バチに関するものでした。彼の研究は、農業生産の安定化に不可欠であり、日本の食糧自給率向上に間接的に貢献したと言えるでしょう。

著書

石井悌は、研究活動の傍ら、多くの著書を執筆し、その知識と経験を広く社会に共有しました。以下は彼の主要な著書の一部です。

柑橘害虫と駆除法（長崎農友新聞社, 1926年）
武蔵野昆虫記（三省堂, 1940年）
南方昆虫紀行（大和書店, 1942年）
南の国の動物（増進堂, 1943年）
害虫防除の実際（養賢堂, 1948年）
農業昆虫学（養賢堂, 1949年）
昆虫の生活（同和春秋社, 1952年）
主要作物害虫図説と防除法（朝倉書店, 1953年）
なく虫をたずねて（同和春秋社, 1953年）
病害虫小事典（朝倉書店, 1954年）

また、共編著として、

学生動物図鑑 (岡田弥一郎,山階芳麿共編 南条書店 1952)
殺虫剤と害虫防除法(石井象二郎共著 養賢堂 1954)

などがあります。

これらの著書は、当時の農業従事者や研究者にとって貴重な情報源であり、現代においても参考にされています。

参考文献

* 日本人名大辞典

まとめ

石井悌は、日本の昆虫学、特に農業昆虫学の発展に大きく貢献した人物です。彼の研究と教育活動は、日本の農業に多大な影響を与え、その功績は今日でも高く評価されています。

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