石井正

石井正

石井正（いしい ただし、1943年11月15日 - ）は、日本の弁理士であり、元特許庁特許技監、大阪工業大学名誉教授。

経歴

東京都出身。中央大学理工学部電気工学科を卒業後、特許庁に入庁。特許審査官、特許情報企画課長、審査部長、審判部長などを歴任し、特許技監を務めた。

2001年、大阪工業大学教授に就任。2003年には、日本初の知的財産学部長として、大学における知的財産専門教育の確立に大きく貢献した。2005年、知的財産専門職大学院研究科長（初代）に就任。知的財産教育研究・専門職大学院協議会（現：知的財産大学院協議会）初代会長も務めた。

人物

大学における知的財産教育・研究推進の第一人者として知られている。特許庁時代には、特許審査システムのデータベース化案「TOPAS」をまとめ、特許庁の審査の機械化システムの基礎を築いた。

大阪工業大学知的財産学部の創設においては、学部創設を急いでいた理事長から特許庁に相談があり、石井が紹介されたという経緯がある。学部創設後には、「日本が知的財産立国として世界に躍進していくためのスペシャリスト育成」を使命として語り、産業界のニーズに応える人材育成を目指した。

また、女子学生の就職難に着目し、大学教育のあり方にも問題提起を行った。企業が女性社員を育成しきれていない現状を指摘し、文科系学部においても専門能力の習得を明確に掲げる教育が必要であると主張した。

受賞

IPI-Award(International Patent Information -Award) 2010年度受賞

著書

特許への挑戦 - 実例でみる特許のポイント（1973年、発明協会） - 共著
特許ビジネス - 実例でみる企業戦略のポイント（1974年、発明協会）
明日へのパテントマネジメント - 特許戦略は企業の明日を決める（1975年、発明協会）
電子政府と知的財産 - ペーパーレスシステムの技術と開発（2004年5月、経済産業調査会） - 共著
MPEPの要点が解る米国特許制度解説（2004年5月26日、エイバックズーム） - 監修
知的財産の歴史と現代 - 経済・技術・特許の交差する領域へ歴史からのアプローチ（2005年6月、発明協会）
誰でもわかる 知的財産入門（2005年11月20日、電気新聞） - 共著
チザイの人 - 大阪工業大学「知的財産学部」誕生の衝撃（2007年8月、三五館）
トヨタの遺伝子 - 佐吉と喜一郎のイノベーション（2008年3月、三五館）
* 歴史のなかの特許 - 発明への報奨・所有権・賠償請求権（2009年4月、晃洋書房）

石井正は、日本の知的財産分野の発展に大きく貢献した人物である。

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