石井道遠

石井道遠（いしい みちとお）は、1951年12月11日生まれの日本の官僚、そして昆虫研究家です。東京都出身で、そのキャリアは財務省における要職を歴任し、最終的には国税庁長官にまで上り詰めました。また、退官後は銀行経営にも携わり、東日本銀行の頭取や会長、さらにはコンコルディア・フィナンシャルグループの副社長も務めた経歴を持ちます。

学歴と初期のキャリア

石井氏は、1970年3月に開成高等学校を卒業後、1974年3月に東京大学法学部第2類（公法コース）を卒業しました。同年4月には大蔵省（現財務省）に入省し、大臣官房調査企画課に配属されました。その後、1976年7月には仙台[[国税局]]調査査察部へ異動し、1977年7月には大蔵省国際金融局国際機構課国際機関係長に就任するなど、キャリアの初期から様々な部署で経験を積みました。

税務行政での活躍

1979年7月には武雄税務署長に就任し、その後も大蔵省銀行局銀行課課長補佐、大臣官房企画官、東京国税局査察部長、国税庁調査査察部査察課長などを歴任し、税務行政の中核を担いました。1994年7月には大蔵省主計局主計官、1995年5月には大蔵省銀行局中小金融課長に着任し、金融分野でもその手腕を発揮しました。

財務省での要職

1998年6月には大蔵省大臣官房付となり、同年7月には大臣官房秘書課長に就任。2001年1月の中央省庁再編に伴い、財務省大臣官房秘書課長に引き続き着任しました。その後、2001年7月には大臣官房審議官（主税局担当）、2004年7月には大臣官房総括審議官、2005年7月には国税庁次長、2006年7月には主税局長と、財務省内で重要なポストを歴任しました。

国税庁長官から銀行経営へ

2007年7月には財務省会計センター所長兼財務総合政策研究所長に就任し、2008年7月には国税庁長官に就任しました。2009年7月に退官後は、独立行政法人経済産業研究所上席研究員を経て、2010年2月には株式会社東日本銀行の顧問に就任しました。その後、2010年6月には代表取締役副頭取、2011年4月には代表取締役頭取となり、銀行経営に携わりました。2016年4月には株式会社コンコルディア・フィナンシャルグループの代表取締役副社長に就任し、金融業界での活躍を続けました。

東日本銀行での出来事とその後

2018年6月には東日本銀行の取締役会長に就任しましたが、同年8月末に金融庁からの業務改善命令を受け、その責任を取って会長職を辞任しました。その後、特別顧問を経て、2019年5月にはアンダーソン・毛利・友常法律事務所の顧問に就任しました。

その他の活動

2022年4月には瑞宝重光章を受章、2024年6月には一般社団法人日本昆虫研究会の名誉顧問に就任するなど、幅広い分野で活動を続けています。また、石井氏の趣味は昆虫採集であり、その分野でも造詣が深いことが知られています。このように、石井道遠は、財務官僚としてのキャリアと、昆虫研究家としての側面を併せ持つ、多才な人物であると言えるでしょう。

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