石原武

石原武（いしはら たけし）

1930年8月3日、山梨県甲府市に生まれた石原武は、詩人、英文学者、翻訳家として多岐にわたる分野で活躍しました。明治学院大学文学部英文科を卒業後、立正女子大学助教授、文教大学教授、図書館長を歴任し、2001年に定年退職、文教大学名誉教授となりました。

詩人としての活動

石原武は1967年に詩集『軍港』を刊行し、詩人としてのキャリアをスタートさせました。1974年には詩集『離れ象』で日本[[詩人クラブ賞]]を受賞し、その才能を広く知らしめました。2007年には『遠いうた 拾遺抄』で日本詩人クラブ詩界賞を受賞するなど、詩人としての評価を確固たるものとしました。彼の詩は、独特の感性と深い洞察力に彩られ、読者の心に深く響くものとして知られています。

英文学者・翻訳家としての活動

英文学者としても才能を発揮した石原武は、英米詩の翻訳にも力を注ぎました。1996年には、長年の翻訳業績が評価され、第21回地球賞を受賞しました。ブライアン・オールディスなどのSF作家の作品や、ケネス・パッチェンの詩集などを翻訳し、日本の読者に海外の文学を紹介しました。その翻訳は、原著のニュアンスを忠実に伝えつつ、日本語としての美しさも兼ね備えていると評価されています。

主な著書

『軍港 詩集』（1967年）
『脳外科病棟 詩集』（1986年）
『石原武詩集』（1991年）
『詩の原郷』（1994年）
『これからしばらく夜 詩集』（1996年）
『遠いうた マイノリティの詩学』（2000年）
『君を夏の一日に譬えようか 詩の遠景』（2002年）
『飛蝗記 詩集』（2004年）
『遠いうた 拾遺抄』（2006年）
『詩と道化 グアンタナモという主題』（2010年）
『金輪際のバラッド 石原武詩集』（2011年）
『現代情況論ノート』（2012年）
『新編 石原武詩集』（2013年）
『石原武全詩集』（2016年）

主な翻訳

『手で育てられた少年』（ブライアン・W・オールディス、1980年）
『兵士は立てり』（ブライアン・W・オールディス、1982年）
『ケネス・パッチェン詩集』（1984年）
『突然の目覚め』（ブライアン・W・オールディス、1986年）
『悪戯詩のすすめ 英語圏のノンセンス・バース』（1990年）
『わたしの本当の性へのオード アメリカ・レズビアン詩集』（1994年）
* 『不安な時刻 詩集』（アレス・デベリアク、1997年）

人物

石原武は、詩作と英文学研究、翻訳という異なる分野で才能を発揮し、日本の文学界に大きな足跡を残しました。彼の作品は、時代を超えて読み継がれ、多くの人々に感動とインスピレーションを与え続けています。2018年3月20日、誤嚥性肺炎のため、埼玉県越谷市のグループホームで87歳で逝去しました。

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