石原舜介

石原 舜介（いしはら しゅんすけ）は、1924年4月15日に生まれ、1996年4月16日に逝去した日本の都市計画家、そして工学博士です。

東京工業大学の建築学科を1949年に卒業後、まず東京都建設局の都市計画課にて実務経験を積みました。その後、母校である東京工業大学へ教員として戻り、助教授を経て教授に昇任。長年にわたり後進の指導にあたりました。

研究においては、田辺平学から都市防災論を深く学び、その知見を基礎としながら、独自の視点である「都市経営」の概念を都市計画に導入した点が特筆されます。この経営学的視点を取り入れることで、都市計画のみならず社会工学分野の研究をも大きく発展させました。その教育者としての功績も大きく、熊田禎宣氏、深海隆恒氏、梶秀樹氏、中井検裕氏、石見利勝氏といった、後に各分野で活躍する多くの研究者や実務家を育てています。

東京工業大学を離れた後も、東京理科大学の教授や明海大学不動産学部の学部長を務めるなど、晩年まで教育・研究活動に情熱を注ぎ続けました。

学術界での貢献に加え、石原氏は数多くの公的な役職を歴任し、国の政策立案にも深く関与しました。主な役職には以下のようなものがあります。

• - 国民生活審議会委員
• - 国民生活向上対策審議会委員
• - 国土利用計画審議会委員
• - 中央公害対策審議会委員
• - 資源調査会委員
• - 国会等移転調査会委員
• - 土地政策審議会委員

また、学術団体においても指導的な役割を果たし、日本都市計画学会および日本不動産学会の会長を務め、それぞれの学術分野の発展に貢献しました。

その多大な功績は高く評価され、いくつかの著名な賞を受賞しています。日本建築学会賞および日本都市計画学会賞を受賞したほか、1989年には学術研究における顕著な功績に対して贈られる紫綬褒章を受章。さらに、1994年には勲三等旭日中綬章が授与され、その社会への貢献が広く認められました。逝去後の1996年には、正四位に叙されました。

石原氏の主要な著書には、都市計画および都市経営に関する pioneering な研究成果が収められています。

• - 『都市の経営』（共著、NHK出版部、1972年）
• - 『都市社会システム』（編集、システム工学講座10、日刊工業新聞社、1974年）
• - 『地域施設 商業』（共著、建築計画学2、丸善、1974年）
• - 『都市経営の科学』（監修、都市再開発と街づくり、技報堂出版、1985年）

これらの著作を通じて、石原舜介は都市を単なる物理的な空間としてではなく、複雑な社会システムであり、経営されるべき主体として捉える新たな視点を提示し、我が国の都市計画学および社会工学の発展に大きな足跡を残しました。

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