石塚広治

石塚広治（いしづか こうじ）は、1941年9月7日に京都府で生まれ、日本のラグビー界にその名を刻んだ名選手です。現役時代のポジションは、フランカー（FL）とナンバーエイト（No8）を主に務め、その卓越した運動能力とリーダーシップでチームを牽引しました。日本代表としても5つのキャップを獲得し、国際舞台でも活躍しました。

学生時代

石塚は京都府立朱雀高等学校を経て、同志社大学に進学しました。同大学のラグビー部では、坂田好弘や宮地克実といった後の名選手たちと共にプレーし、その才能を開花させました。1961年度の第2回日本協会招待NHK杯争奪ラグビー大会（日本選手権の前身大会）では、近鉄を17-6で破り、実質的な日本一を経験しました。この勝利は、石塚のラグビー人生における最初の大きな成功となりました。

1963年には、ラグビー日本代表としてカナダ遠征に参加し、ブリティッシュコロンビア州代表戦で初のキャップを獲得しました。同年、第1回日本選手権では、主将としてチームを率い、1回戦で全国社会人大会優勝の八幡製鉄を18-11で破り、決勝では同2位の近鉄を18-3で下し、見事日本一を達成しました。この勝利は、大学ラグビー界における同志社大学の存在感を高め、石塚自身の評価も大きく向上させました。

社会人時代

1964年、石塚は近鉄に入社し、社会人ラグビーの舞台でもその実力を発揮しました。近鉄では、1年後輩の坂田や小笠原博らと共に、1966年、1967年の全国社会人大会、日本選手権で連覇を達成し、チームの黄金時代を築き上げました。これらの勝利は、近鉄ラグビーの歴史に輝かしい足跡を残しました。

1968年には、日本代表としてニュージーランド遠征にも参加し、6月3日にウェリントンで行われたオールブラックスジュニア戦では、先発メンバーとして出場し、23-19で勝利に貢献しました。この勝利は、日本ラグビー界にとって大きな快挙であり、石塚の国際的な評価を高めました。

引退後

現役引退後、石塚は親会社である近鉄が経営母体の飛鳥ゴルフ株式会社の社長などを歴任し、ビジネスの世界でもその手腕を発揮しました。彼のリーダーシップと戦略的思考は、ラグビーで培われた経験が生かされた結果と言えるでしょう。

家族

また、石塚は元サッカー選手の石塚啓次の実父でもあります。スポーツ一家としての血脈も、彼の人生を彩る要素の一つです。

まとめ

石塚広治は、その選手としての実績だけでなく、引退後の活動や家族背景も含め、多くの人々に影響を与え続けています。彼のラグビーへの情熱とリーダーシップは、後進の育成にも貢献し、日本のスポーツ界に大きな足跡を残しました。

参考文献

『ザ・ワールドラグビー』 （大友信彦 編、新潮社、ISBN 4104627011）の27頁
『栄光のトライ』 （馬場信浩著、光文社、ISBN 4334027857）の267頁〜296頁

もう一度検索