石崎一夫

石崎 一夫（いしざき かずお）は、1947年6月2日に宮城県で生まれた元プロ野球選手です。主なポジションは内野手でした。

野球を始めた石崎氏は、仙台育英学園高等学校に進学し、硬式野球部で才能を磨きました。高校2年生だった1964年の夏には、チームの主軸投手である倉橋寛氏や捕手の加藤俊夫氏といった中心選手たちと共に、全国高等学校野球選手権大会に出場する機会を得ました。当時の石崎氏は、主に8番打者として打線を支え、三塁手として守備についていました。

初めて甲子園の土を踏んだ仙台育英高校は、大会1回戦で滝川高校と対戦しました。この試合で、相手先発の芝池博明投手（後にプロでも活躍）の前に打線が沈黙し、残念ながら完封負けを喫して初戦で姿を消すこととなりました。

翌年、最上級生となった1965年の夏も、石崎氏はチームの中心選手として活躍しました。この年のチームは、夏の甲子園出場を懸けた東北大会の準決勝まで勝ち進みましたが、磐城高校に敗れ、惜しくも2年連続での甲子園出場は叶いませんでした。しかし、この夏の県予選から東北大会にかけての戦いの中で、石崎氏個人は素晴らしい打撃成績を残しています。記録によると、合計16打数で7本の安打を放ち、打率は4割3分7厘という高い数字をマークし、そのバッティング技術を見せつけました。

高校卒業後、石崎氏の活躍はプロ野球界からも注目されました。1965年に行われたプロ野球ドラフト会議において、大洋ホエールズ（現在の横浜DeNAベイスターズの前身球団）から10位という順位で指名を受け、プロ野球選手としての道を歩み始めることになりました。

プロ入り後の石崎氏は、主に三塁手、そして外野手としても登録されました。背番号は「38」番を着用することが決まり、1966年シーズンからチームに合流しました。プロの世界は高校野球とは異なり、レベルの高い選手たちが集まる厳しい環境でした。

石崎氏は、大洋ホエールズに1966年から1968年までの3シーズン在籍しました。プロ入りにあたっては期待も寄せられたことと思いますが、この3年間の在籍期間中、残念ながら一度も一軍の公式戦に出場する機会を得ることはできませんでした。プロの舞台で自身の力を発揮することは叶わず、二軍でのプレーが中心だったと思われます。

そして、1968年シーズンの終了をもって、石崎氏は大洋ホエールズを退団することを決め、短いプロ野球選手としてのキャリアに終止符を打ちました。現役引退後の詳しい活動については、公にされていませんが、彼の野球人生は高校時代の甲子園出場とプロ入りという、多くの野球少年が夢見る道を一度は歩んだものでした。

石崎一夫氏は、プロ野球選手として一軍公式戦の記録を残すことはありませんでしたが、高校時代には強豪校で活躍し、甲子園出場や高い打率を残すなど、その才能の一端を見せました。プロの世界で継続的に活躍することは叶いませんでしたが、日本のプロ野球史に名を刻んだ一人であることには変わりありません。

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