石川吉右衛門

石川 吉右衛門 (いしかわ きちえもん)

石川吉右衛門は、1919年10月23日に千葉県木更津市で生まれた日本の法学者で、特に労働法の分野で広く知られる権威です。彼は、東京大学の名誉教授という地位を持ち、日本の法学教育と研究に多大な貢献を果たしました。その活動は学術だけでなく、労働行政の分野でも要注目でした。

学歴とキャリアの歩み

彼は1937年に東京府立第四中学校を卒業し、1940年には第一高等学校を卒業。その後、東京帝国大学法学部を1943年に卒業し、1948年に同大学院法学研究科を修了しました。学位を取得した後は、東京大学法学部に助教授として採用され、1962年に教授へと昇進しました。また、1977年からは東京大学教養学部でも教授を務めました。1980年に定年退官し、その後名誉教授の称号を授与されました。

定年退官後も彼の影響力は健在で、千葉大学人文学部教授、さらに1985年から1992年までは東海大学法学部教授として活躍しました。さらに、彼は司法試験の考査委員や中央労働基準審議会会長、中央労働委員会の委員などを歴任し、日本の法律と労働環境において重要な役割を果たしました。

労働法の実務と論文

石川吉右衛門は、「労働法の権威」として知られ、労働法の実務においても重要な貢献をしました。特に、中央労働委員会の会長として在任中（1984年11月～1992年10月）、彼はパンアメリカン航空の労働争議の仲裁や、いわゆるJR不採用問題における和解提案を行うなど、社会的課題の解決に尽力しました。このような彼の実績は、多くの労働者や企業にとって重要な意味を持っていました。

受賞歴

石川吉右衛門は、その長年の功績により、1978年に藍綬褒章を、1991年には勲一等瑞宝章を受章しています。これらの受賞は、彼の学問的な業績のみならず、社会貢献に対する評価の一環としても理解されます。

主な著作

彼の著作も多岐にわたり、『労働組合法』（有斐閣,1990）や『労使関係手帖』（有信堂,1965）、また共著として『労働法の判例』（有斐閣,1972）など、労働法に関わる重要な資料を多数残しています。これらの著作は、労働法の理解と研究の基盤となるものです。

最後に

2005年8月12日、石川吉右衛門はこの世を去りましたが、彼の残した知識や業績は今なお日本の労働法の発展に大きく寄与しており、大学や法律界において関心が寄せられています。

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