石川康勝

石川康勝（いしかわ やすかつ）

石川康勝は、安土桃山時代から江戸時代初期にかけての武将で、信濃奥仁科藩の藩主を務めました。石川数正の次男として生まれ、幼名は勝千代、諱は員矩とも伝えられています。

生涯

天正12年（1584年）、徳川家康の次男である秀康が人質として大坂へ送られる際、兄の康長とともに秀康に小姓として仕えました。しかし、翌年に父の数正が徳川家康のもとから出奔し、豊臣秀吉に仕えたため、康勝もそれに従ったと考えられます。ただし、康勝がいつ陪臣の身分を脱したかは明確ではありません。

文禄元年（1592年）、文禄の役では肥前名護屋城に宿直として勤務しました。父の死後、遺領である信濃松本藩10万石のうち、安曇郡1万5,000石を相続し、350名の兵を率いて朝鮮へ出兵しました。帰国後の文禄3年（1594年）には、伏見城の普請を分担しています。

慶長5年（1600年）の関ヶ原の戦いでは、兄と共に徳川家康の会津征伐に従軍し、そのまま東軍に与しました。しかし、本戦には参加せず、徳川秀忠に従って中山道を進み、西軍の真田昌幸が守る上田城を攻撃する第二次上田合戦に参加しました。

その後、兄に従い徳川家に仕えましたが、豊臣秀頼とも親交があり、慶長18年（1613年）には豊国祭礼に秀頼の代理として参拝しています。同年10月25日、兄が領地隠匿の罪で処罰された際、連座して改易されました。

慶長19年（1614年）、大坂の陣では豊臣方として大坂城に入城。旧臣の多くもこれに続きました。冬の陣では、真田丸の戦いにおいて松平忠直隊への砲撃を試みましたが、味方の兵が火薬を誤爆させ、自身も負傷しました。この騒ぎを徳川方は南条元忠の内応と勘違いし強襲しましたが、豊臣方の反撃にあって撃退されました。

翌年の夏の陣では、天王寺・岡山の戦いに出陣し、真田信繁隊の寄騎として戦いましたが、乱戦の中で討ち死にしました。

人物

兄の康長と共に古田織部に茶の湯を学んでおり、皆伝を受けていました。

脚注

参考文献
堀田正敦「国立国会図書館デジタルコレクション [石川氏]]」『寛政重脩諸家譜. 第1輯』國民圖書、1922年、732頁。[https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1082717/376 国立国会図書館デジタルコレクション。
高柳光寿; 松平年一『戦国人名辞典』吉川弘文館、1981年、32頁。
関連項目
* 大久保長安事件

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