真田丸の戦い

真田丸の戦い：大坂冬の陣における激戦

真田丸の戦いは、慶長19年（1614年）の大坂冬の陣で繰り広げられた、豊臣方と徳川幕府軍との間の激しい戦闘です。この戦いは、真田丸と呼ばれる砦を中心に、大坂城南側一帯で展開されました。

戦闘の背景

豊臣方が大坂城周辺の砦を放棄し、城内に撤退した後、幕府軍は大坂城を包囲しました。真田丸正面には、前田利常率いる12,000の兵のほか、南部利直、松倉重政、榊原康勝らの軍勢が布陣。一方、真田丸には真田信繁指揮下の5,000の兵が配置されました。八丁目口・谷町口には、井伊直孝の4,000、松平忠直の10,000、その他数千の兵が展開しており、豊臣方では木村重成、後藤基次、長宗我部盛親らが12,000以上の兵を率いていました。

徳川家康は、茶臼山陣城に出向き、前田利常に対し、塹壕を掘り、土塁を築き、城を攻撃しないように指示しました。しかし、真田丸の前方にある篠山には真田勢が配置され、前田勢が塹壕を掘り始めると、火縄銃で攻撃し作業を妨害しました。

戦闘の経過

12月3日、大坂城内で南条元忠が幕府軍に内通していることが発覚しました。南条は切腹させられましたが、豊臣軍は南条が内応を続けているように見せかけ、幕府軍を欺きました。

12月4日、前田勢は篠山からの妨害に手を焼いていたため、篠山の奪取を試みました。前田勢の先鋒が夜陰に乗じて攻め上がりましたが、真田勢は既に撤退しており、もぬけの殻でした。夜が明けると、真田勢は前田勢を挑発しました。挑発に乗った前田勢は真田丸に突撃しましたが、真田勢は十分に引き付けてから火縄銃で射撃し、前田勢に大きな損害を与えました。前田利常は、将たちが命令なく攻撃したことを怒り、兵を撤退させようとしました。

前田勢の攻撃に呼応して、井伊、松平勢も八丁目口・谷町口に攻撃を仕掛けました。その際、城内で火薬庫が爆発する事故が発生しましたが、幕府軍は南条の内応によるものと勘違いし、さらに激しく攻撃を仕掛けました。豊臣軍は城壁に殺到する幕府軍に大きな損害を与えました。

これらの惨状を知った家康は退却を命じましたが、竹束や鉄楯を持たずに攻めていたため、幕府軍は敵の攻撃に身動きが取れず、退却は難航しました。15時過ぎになってようやく退却が完了しました。

退却後、家康は各将を呼びつけ、軽率な行動を叱責し、以後、竹束・鉄楯を必ず使用するよう厳命しました。

戦いの影響

真田丸の戦いは、豊臣軍が幕府軍の攻撃を巧みに防ぎ、多大な損害を与えた戦いとして知られています。この戦いは、大坂の陣全体の戦局にも大きな影響を与え、豊臣方の抵抗を示す象徴的な出来事となりました。また、真田信繁の戦術家としての才能を際立たせる戦いでもありました。

参考文献

『戦況図録 大坂の陣』（新人物往来社 別冊歴史読本56）
『激闘 大坂の陣』（学研 歴史群像シリーズ【戦国】セレクション）

関連項目

三光神社

外部リンク

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