石川県道・富山県道10号金沢湯涌福光線

石川県道・富山県道10号金沢湯涌福光線

石川県道・富山県道10号金沢湯涌福光線（いしかわけんどう・とやまけんどう10ごう かなざわゆわくふくみつせん）は、金沢市と南砺市を結ぶ主要な道路です。この路線は車両や人々の移動において欠かせない存在であり、地域経済や観光の面でも重要な役割を果たしています。

概要

金沢市の香林坊から始まり、広坂を経由して兼六園の側を通ります。その後、小立野台地を横断し、温泉地である湯涌を経由して刀利ダムを通ることで南砺市の福光市街地に至ります。この道は藩政時代には塩硝街道として知られ、五箇山で生産された塩硝を金沢に運ぶ重要なルートでした。

起点となる香林坊から錦町交差点までは整備が行き届いており、片側2車線（両側で4車線）の交通が可能です。さらに、広坂交差点からは片側3車線（両側で6車線）の広さを持ち、非常に交通量が多い区間となっています。一方で、金沢市板ヶ谷町から南砺市網掛にかけては、道幅が狭く、特に刀利ダム近くでは急なカーブが続くため、走行には注意が必要です。これらの区間は悪天候時に通行止めになることが多く、安全運転が求められます。

歴史

この路線は1964年の12月28日に建設省（現・国土交通省）によって主要地方道に指定され、その後1965年に石川県と富山県でそれぞれの路線が認定されました。特に昭和天皇が湯涌温泉に訪れる際には、金沢市土清水町から湯涌温泉にかけての区間が整備・改良されるなど、交通の便が向上しました。当初、これは単なる地域道でしたが、年月が経つにつれ、その重要性が再評価されていったのです。

近年の動向

2020年には、災害時の代替路としての役割を考慮した国土交通省の補助金制度が創設され、この路線の県境区間が整備計画の候補に選ばれました。特に重要視されているのは、県境におけるトンネルの整備であり、これにより交通の安全性と安定性が向上することが期待されています。

地理

この道は、金沢市と南砺市という二つの都市を結び、通過する主要な公共施設や観光名所があります。金沢市役所や兼六園、金沢21世紀美術館、さらには湯涌温泉など、沿線には訪れるべきスポットが豊富に存在します。一方、南砺市側では福光温泉や福光公園など、地域住民や観光客に利用されています。

また、冬季には一部区間が閉鎖されるため、冬場に通行する際には事前の情報確認が必要です。特に、金沢市横谷町から刀利ダムまでの約2.7キロメートルは、毎年12月から4月まで閉鎖されます。この閉鎖期間は、雪により交通が困難になるため、利用者は十分な注意を払う必要があります。

通称と呼ばれる道

この路線にはいくつかの通称があります。百万石通りや湯涌街道、お堀通りなど、各部分での愛称があり、それぞれの地域性を反映しています。これにより、地域住民は自分たちの暮らしや文化と結びついた道を意識することができ、愛着を持って利用しているのです。

このように、石川県道・富山県道10号金沢湯涌福光線は、地域の歴史と文化、日常の交通を支える大切な道であり、今後もその役割を果たし続けることでしょう。

もう一度検索