湯涌温泉

金沢の奥座敷、湯涌温泉

湯涌温泉は、石川県金沢市湯涌町および湯涌荒屋町に位置する、歴史ある温泉地です。養老2年（718年）に開湯されたと伝えられ、「金沢の奥座敷」として親しまれてきました。金沢温泉郷を代表する温泉の一つであり、その泉質と風情ある温泉街が魅力です。

泉質

湯涌温泉の源泉は4つあり、泉質は以下の通りです。

ナトリウム・カルシウム - 塩化物・硫酸塩泉 など
源泉温度32度
湯は無色透明、ほのかな塩味、無臭

温泉街の風景

浅野川から分かれる道路沿いには、旅館や日帰り入浴施設「総湯 白鷺の湯」、飲食店、商店などが軒を連ねています。かつて存在した白雲楼ホテルは現存しませんが、近年では旧戸田屋を改装した「金沢湯涌温泉 百楽荘」（2016年開業）や、旧秀峰閣を改装した「本館彩心（いろは）」（2018年開業）など、新たな魅力を持つ施設も誕生しています。また、2024年6月には「かなや」が閉館し、新たな宿泊施設が計画されています。

温泉街には、竹久夢二ゆかりの地であることから金沢湯涌夢二館があります。また、温泉街の北側には江戸時代の建築物を移築した金沢湯涌江戸村があり、歴史的な景観を楽しめます。温泉街の奥には人造湖である玉泉湖があり、周囲は遊歩道として整備されています。玉泉湖畔には、毎年行われる氷室行事に使われる氷室小屋も存在します。

歴史

湯涌温泉の歴史は古く、養老2年（718年）に紙漉き職人が温泉を発見したことが始まりとされています。白鷺が湯に浸かっているのを見つけ、近づいてみると湯が湧き出ていたという伝説が、温泉名の由来となっています。

江戸時代には、加賀藩主をはじめとする一族が湯治に訪れました。大正初期には、ドイツで開催された万国鉱泉博覧会に日本の名泉として推薦され、出展されたという記録も残っています。

明治時代以降は、竹久夢二をはじめ、多くの文人墨客に愛されてきました。共同浴場は古くから「総湯」と呼ばれ、1937年（昭和12年）に建てられた建物が1999年（平成11年）に改装され、「総湯 白鷺の湯」として親しまれています。

アクセス

公共交通機関

金沢駅東口から北鉄バス湯涌線12番系統「湯涌温泉」行きに乗車、終点「湯涌温泉」下車（約55分）。1時間に1本程度の運行。

車

* 北陸自動車道金沢森本ICから県道10号を経由し、約18km、30分。

文化作品との関わり

湯涌温泉は、アニメ『花咲くいろは』の舞台モデルとしても知られています。アニメ制作会社ピーエーワークスが設立10周年を記念して制作したオリジナルアニメであり、2011年に放送されました。作中に登場する「湯乃鷺温泉」は、湯涌温泉をモデルとしています。

アニメの放送後、作中の「ぼんぼり祭り」を現実化しようという動きが起こり、2011年10月9日に最初の祭りが開催されました。以来、毎年秋のイベントとして「湯涌ぼんぼり祭り」が開催され、多くの観光客が訪れる人気のイベントとなっています。


湯涌温泉は、歴史と文化、美しい自然に恵まれた魅力的な温泉地です。ぜひ一度訪れて、その魅力を体験してみてください。

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