概要
石川県珠洲市内に位置する
主要地方道「
石川県道28号大谷狼煙飯田線」は、
能登半島の最北東端部を巡る、地域にとって非常に重要な交通路です。この県道は、
珠洲市馬緤町の
国道249号との交差点から始まり、能登の雄大な海岸線に沿って進み、半島先端の狼煙を経て、内陸側の
珠洲市中心部近くである飯田町に至る、独特なラケット状の経路を描きます。
珠洲市内の主要幹線である
国道249号が、飯田町から大谷峠を越えて馬緤町へ短絡する内陸ルートをとるのに対し、本路線は海岸部の集落を丁寧に結びながら進む点が大きな特徴です。
路線の起点は
珠洲市馬緤町、
国道249号に接続する地点です。ここから路線は東へと進路を取り、荒々しい海岸線に沿って高屋町、折戸町といった集落を通過します。さらに東進すると、
能登半島の最先端、有名な禄剛崎灯台にほど近い狼煙町に到達します。ここが、ラケットの先端部分にあたると言えるでしょう。狼煙町を過ぎると、路線は向きを南に変え、再び海岸線に沿って南下します。三崎町に入り、小泊地区付近で大きく進路を西へと変更し、蛸島町を目指します。蛸島町からは、
石川県道12号蛸島港線との重複区間に入ります。正院町川尻のライスセンター前交差点に至ると、ここから終点までは「珠洲道路」の一部として供用されており、快適な走行が可能です。珠洲道路を西へ進み、終点である
珠洲市飯田町の飯田町北交差点(ここも
国道249号との交点です)に接続して、本路線の旅は終わります。このように、大谷狼煙飯田線は、
能登半島の先端部をぐるりと一周するように結ぶ、地域に根ざした県道と言えます。
また、本路線では、過去に交通の円滑化や安全性の向上を目的とした改良工事が実施されています。特に、狭隘区間における対向車との離合を容易にするため、2005年(平成17年)には待避所を設けるなどの1.5車線化に向けた整備が進められました。こうした整備により、特に観光シーズンなど交通量の多い時期においても、よりスムーズな通行が可能となっています。
歴史
石川県道28号大谷狼煙飯田線は、
1972年(
昭和47年)
3月21日に県道の路線として認定されました。その重要性から、
1993年(平成5年)
5月11日には
建設省(現:国土交通省)によって
主要地方道に指定されています。路線の具体的な区域については、近年複数の変更が行われています。
2015年(平成27年)
3月31日:
珠洲市正院町川尻(正院小前交差点)から
珠洲市飯田町(飯田町北交差点)までの区間を本路線の区域に編入。
2015年(平成27年)
3月31日:
珠洲市正院町川尻(正院小前交差点)から
珠洲市飯田町(すずなり西口交差点)までの区間を路線の区域から除外。
2019年(平成31年)
3月19日:
珠洲市蛸島町から
珠洲市正院町川尻(ライスセンター前交差点)までの区間(珠洲道路指定区間)を本路線に編入。
これらの変更は、地域の道路網の整備や交通状況の変化に対応するためのものです。
路線状況
本路線には、既存の経路の混雑緩和や線形改良などを目的としたバイパス区間が整備されています。
引砂バイパス:
珠洲市三崎町森腰 -
珠洲市三崎町高波(1.8 km)。並行する旧道(市街地中心部を通過)は現在、
珠洲市道に移管されています。
小泊バイパス:
珠洲市三崎町小泊 -
珠洲市三崎町雲津(1.6 km)。海側の小泊地区集落内を通過していた旧道は、現在、
珠洲市道となっています。
これらのバイパスは、本路線の通行機能の向上に寄与しています。
また、路線の終点近くでは、他の県道と重複する区間があります。
石川県道12号蛸島港線:
珠洲市正院町川尻(ライスセンター前交差点) -
珠洲市飯田町(飯田町北交差点:終点)の区間。
石川県道52号折戸飯田線:
珠洲市正院町(正院小路交差点) -
珠洲市飯田町(飯田町北交差点:終点)の区間。
これらの重複区間を経て、路線は終点に至ります。
地理
通過する自治体
石川県道28号大谷狼煙飯田線が通過する自治体は、全線が
石川県珠洲市内です。
交差する道路
沿線では、いくつかの主要な道路と接続または交差しています。
国道249号(
珠洲市馬緤町:起点)
石川県道285号高屋出田線(
珠洲市高屋町)
石川県道52号折戸飯田線(
珠洲市折戸町)
石川県道287号粟津正院線(
珠洲市三崎町粟津)
石川県道12号蛸島港線(
珠洲市正院町川尻)
石川県道287号粟津正院線(
珠洲市正院町:ライスセンター前交差点)
石川県道52号折戸飯田線(
珠洲市正院町:正院小路交差点)
国道249号(
珠洲市飯田町:飯田町北交差点:終点)
沿線にある施設など
この路線沿いには、
能登半島の先端らしい景観とともに、地域の生活や産業に関わる施設が見られます。
狼煙漁港
この県道は、これらの地域を結び、
能登半島先端部の交通インフラとして重要な役割を果たしています。