石川県道57号内浦柳田線

石川県道57号内浦柳田線

石川県道57号内浦柳田線（いしかわけんどう57ごう うちうらやなぎだせん）は、石川県鳳珠郡能登町を貫通する主要地方道として位置づけられています。能登半島の日本海側（内浦）と内陸部を結び、地域内の交通ネットワークにおいて重要な役割を担っています。この路線は、主に能登町の東西方向への移動を支えるとともに、より広域的な幹線道路網への接続点としても機能しています。

路線概要

本路線は、石川県鳳珠郡能登町内の内浦地域から、かつての柳田村にあたる内陸部へと至る主要な地方道路です。能登町の海岸部と内陸部を結ぶことで、地域住民の生活道路としての役割はもちろん、観光や産業の物流ルートとしても利用されています。特に、能登町駒渡から終点である桜峠の区間は、能登半島の交通インフラ強化を目的とした広域幹線道路である「珠洲道路」の一部として指定されており、道路改良や拡幅といった整備が進められ、利便性の向上と円滑な交通の確保が図られています。この整備により、能登半島先端部へのアクセス性向上にも寄与しています。

路線データ

石川県道57号内浦柳田線の具体的な起終点は以下の通りです。

起点: 石川県鳳珠郡能登町字松波22字35番1地先
ここでは国道249号と接続しています。
終点: 石川県鳳珠郡能登町字当目3字6番1地先
ここでは石川県道26号珠洲穴水線（珠洲道路の一部）と接続しています。

歴史

現在の石川県道57号内浦柳田線の基礎は、1993年（平成5年）5月11日にさかのぼります。この日、当時の建設省（現在の国土交通省）により、既存の県道であった「県道与呂見藤波線」の一部と「県道神和住松波線」が統合・再編成され、「内浦柳田線」として新たに主要地方道の指定を受けたことに始まります。その後、翌年の1994年（平成6年）4月1日をもって、石川県による正式な路線認定が行われ、現在の県道として運用されるようになりました。近年では、2024年（令和6年）1月1日に発生した能登半島地震により、本路線を含む能登町内の広い範囲が甚大な被害を受けました。特に、道の駅桜峠付近などで大規模な土砂災害が発生し、長期にわたり交通が遮断される事態となりました。この地震は、地域の交通網の脆弱性を露呈するとともに、復旧への大きな課題を提起しました。

路線状況

本路線の一部区間では、他の県道と道路を共有する重複区間が存在します。具体的には、石川県道275号与呂見藤波線との重複区間があり、能登町神和住の神和住交差点から能登町当目までの区間でこの重複が見られます。また、本路線の沿道には、休憩施設として地域住民や観光客に利用される「道の駅桜峠」が設置されています。この道の駅は、終点に近い能登町当目に位置しており、ドライブ途中の立ち寄りスポットとして機能していますが、先の能登半島地震により周辺が被災したため、その機能維持や復旧が課題となっています。

地理

石川県道57号内浦柳田線は、その全線が石川県鳳珠郡能登町内を通過します。起点の松波地区から内陸部へと進み、終点の当目地区に至ります。路線の沿線には、能登町の集落や田畑が点在しており、地域の生活や産業に根ざした風景が見られます。主な交差道路としては、起点の国道249号、終点の石川県道26号珠洲穴水線（珠洲道路）のほか、途中で以下のような道路と接続しています。

石川県道6号宇出津町野線
石川県道288号鈴ヶ嶺矢波線
* 石川県道275号与呂見藤波線

これらの交差点を介して、能登町内の各地域や周辺市町との連携が図られています。特に、終点における石川県道26号珠洲穴水線との接続は、広域交通網である珠洲道路の一部を形成する上で重要な結節点となっています。

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