石川総貨

石川総貨について

石川総貨（いしかわ ふさとみ）は、江戸時代後期に常陸下館藩（現在の茨城県筑西市周辺）の第8代藩主を務めた人物です。伊勢亀山藩石川家の分家10代目にあたります。

生涯

文政2年10月9日（1819年11月26日）、第7代藩主・石川総承の長男として生まれました。幼少期から聡明で、将来を嘱望されていました。天保7年12月5日（1837年1月11日）に父の隠居により家督を継ぎ、藩主となりました。藩主就任後、老中・水野忠邦の推挙により、早くから幕府の御用番という要職を務め、その能力を発揮しました。

しかし、天保8年（1837年）に発生した大飢饉により、領内は未曾有の被害を受けました。領民は12,000人から6,000人に激減し、藩の負債額は35,000両にも上るという、まさに壊滅的な状況でした。この危機的な状況を打開するため、総貨は二宮尊徳に教えを請い、その指導の下で藩財政の再建に乗り出しました。尊徳の教えである「報徳仕法」を導入し、藩の立て直しを図りましたが、その道のりは決して平坦なものではありませんでした。嘉永2年9月12日（1849年10月27日）、志半ばでこの世を去り、享年31歳でした。跡は長男の総管が継ぎました。

人物

石川総貨は、若くして藩主となったにもかかわらず、その責任感と行動力は非常に高く評価されています。特に、大飢饉という未曾有の危機に際して、二宮尊徳に教えを請い、藩の再建に尽力したことは特筆すべき功績です。彼の決断と行動は、その後の下館藩の復興に大きな影響を与えたと言えるでしょう。若くして亡くなったことは惜しまれますが、彼の遺志は後世に引き継がれていきました。

系譜

父母

父：石川総承（第7代藩主）

正室

加納久儔の娘

子女

長男：石川総管（第9代藩主）
女子：充子（松平乗謨正室）
* 女子：大久保忠礼継室

石川総貨は、激動の時代を生きた藩主として、その功績は後世に語り継がれています。彼の生涯は、困難に立ち向かう勇気と、民を思う温かい心の大切さを教えてくれます。

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