石巻漁港

石巻漁港の概要

石巻漁港（いしのまきぎょこう）は、宮城県石巻市魚町に位置する特定第3種漁港です。この港は1974年に開港し、それ以前は旧北上川河口に漁港設備がありました。そのため、現港のことを「石巻新漁港」と呼ぶこともあります。本港は、水揚げ岸壁が日本一の1200m、さらに魚市場は875.47mの長さを誇り、2021年9月には「世界一長い魚市場」としてギネス世界記録に認定されました。

管理とデータ

石巻漁港は宮城県が管理しており、魚市場は石巻市の「石巻市水産物地方卸売市場」として知られています。この市場での卸売業は石巻魚市場株式会社が担当し、2019年には水揚げ数量が100,245トン、金額は165億3700万円に達しました。これは全国でそれぞれ5位と9位の実績です。

歴史的背景

石巻が港として利用され始めたのは江戸時代以降のことです。当時、北上川の河口は異なる場所にあり、周囲の村からは真野川の河口が利用されていました。1623年、伊達政宗の指導のもと、新たに河道が開かれたことが大きな転機となり、石巻は水運の要地となりました。以降、仙台藩をはじめとした周辺藩からの物資が集まり、商業も繁栄しました。

1887年に東北本線が開通したことで一時的に衰退しましたが、市民が協力して北上川を改修し、接岸施設を整備することによって復活を果たし、500トン級の貨物船が自由に出入りできるようになりました。石巻周辺には世界三大漁場の一つとして知られる金華山沖があり、この豊かな漁場資源を生かした水産業が発展し、関連企業が次々と生まれました。

1950年には地方港湾に指定され、1951年から漁港の整備事業が始まり、近年の成長を支えました。旧北上川河口では水深の確保が難しくなったため、1963年には新漁港の建設が着手されました。1967年には出入国港に、1973年には特定第三種漁港に指定され、翌年には市場が開設されました。

東日本大震災の影響

2011年に発生した東日本大震災によって、石巻漁港は甚大な被害を受けましたが、2012年から復旧工事が進められ、第3次漁港漁場整備計画が立てられました。市場も早期に仮設テントを設けて水揚げを再開し、2014年には一部施設が供用開始され、2015年には全体の供用が実現しました。

まとめ

石巻漁港は、地元の水産業にとって欠かせない拠点であり、その歴史と復興の歩みが地域社会に根付いています。今後も多くの漁業者や市民に愛される港であり続けることが期待されています。

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