石橋和

石橋和（いしばし やわら）は、1873年（明治6年）に福岡県で生まれ、日本の内務・警察官僚として活躍しました。最終的な役職は官選県知事です。

石橋は、石橋伊三郎の三男としてこの世に生を受けました。第一高等学校を経て、1899年（明治32年）に東京帝国大学法科大学を卒業。同年11月には、文官高等試験行政科試験に合格し、内務省に入省。土木局に配属されました。

その後、滋賀県参事官、岩手県参事官、埼玉県警部長、埼玉県事務官・第四部長、愛知県事務官・警察部長、福島県事務官・内務部長、岐阜県内務部長、大阪府警察部長、東京府内務部長など、地方官僚として重要な役職を歴任しました。これらの職務を通じて、石橋は地方行政の実務経験を豊富に積みました。

1915年（大正4年）1月8日、石橋は佐賀県知事に就任しました。その後、1917年（大正6年）1月17日には、岐阜県知事に転任。岐阜県知事時代には、美濃九郡における米生産検査制度を実施し、大井川の水利権問題の解決にも尽力しました。しかし、同年4月の第13回衆議院議員総選挙で、与党である政友会が岐阜県で振るわなかった責任を取り、同年12月17日に知事を休職しました。

1918年（大正7年）10月29日、石橋は依願免本官となり、官界から退きました。その後の消息は不明です。

石橋の功績として、地方行政における豊富な経験と、特に岐阜県知事時代に実施した米生産検査制度や水利権問題の解決への貢献が挙げられます。また、内務省に入省してから様々な県で要職を歴任したことは、彼が行政官として非常に有能であったことを示しています。

石橋の栄典としては、1915年（大正4年）3月1日に正五位に叙されています。親族としては、妻に男爵・肝付兼行の長女である石橋シゲがいます。

参考文献

歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。
* 人事興信所編『人事興信録』第5版、1918年。

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