石橋尚登

石橋 尚登

1982年4月20日、長崎県平戸市に生まれた石橋尚登（いしばし なおと）は、元プロ野球選手であり、現在は野球指導者として活動しています。現役時代は内野手としてプレーし、プロ入り後は登録名を二度変更するという、やや特異なキャリアを歩みました。

長崎県立波佐見高等学校に進学した石橋は、高校野球でその才能を開花させます。2年生の秋には九州大会でベスト8に進出、3年生の夏には県大会で準優勝を果たし、チームの中心選手として活躍しました。高校通算打率.406、通算盗塁200個以上という驚異的な数字を残し、走・攻・守の三拍子揃った内野手として注目を集める存在でした。当時の報道では、無名に近い存在ながらもその潜在能力は高く評価され、プロのスカウトの目に留まります。

2000年のプロ野球ドラフト会議において、石橋は広島東洋カープから6位指名を受け入団。これは波佐見高校出身者として、史上初めてのプロ野球選手誕生という快挙でした。ルーキーとして大きな期待を背負ってプロの世界に足を踏み入れます。

プロ入り後、石橋は主に二軍であるウエスタン・リーグでのプレーが中心となりました。二軍では毎年安定した好成績を残し、特に打撃面では高い評価を得て、将来の一軍昇格が嘱望される若手有望株の一人として名前が挙がります。しかし、プロ生活を通じて、彼は怪我に悩まされることになります。特に左膝の故障は深刻で、これが一軍定着を阻む大きな要因となりました。練習熱心な選手であったことが知られていますが、それが裏目に出てしまい、毎年のように怪我を繰り返す結果となってしまったと言われています。

一軍への壁を破れないまま迎えた2005年、石橋は登録名を「尚登」から「尚至」（読みは「なおと」）に変更し、心機一転を図ります。しかし、この年も満足のいく結果を残せず、シーズン終了後に広島から自由契約となります。

プロ野球選手としてのキャリア継続を目指し、石橋は12球団合同トライアウトに参加。そこで阪神タイガース関係者の目に留まり、テスト入団の機会を得ます。阪神への移籍に伴い、登録名を再び変更。「尚至」から「尚到」（読みは同じく「なおと」）としました。新しい環境での再起を誓いますが、ここでも一軍の舞台に立つことは叶わず、2006年10月6日に戦力外通告を受け、阪神を退団することになりました。

度重なる試練にも諦めず、石橋は再度トライアウトに挑戦。一旦は所属球団が決まらない状況が続きましたが、戦力外通告から約2ヶ月後の2006年12月7日、埼玉西武ライオンズへの入団が発表されました。プロ入りから7シーズン目を迎え、自身3球団目となりますが、この時点でもまだ一度も一軍公式戦への出場経験がないという厳しい状況でした。

西武ライオンズで迎えた2007年シーズンも、残念ながら一軍出場は叶いませんでした。そして、同年10月27日、石橋はプロ生活で3年連続となる3回目の戦力外通告を受けます。11月30日に自由契約公示され、最後の望みをかけてトライアウトに臨みましたが、こちらも不合格となり、このシーズン限りで現役引退を決断しました。

プロ野球選手としての7年間、石橋は一度も一軍の公式戦に出場することなくユニフォームを脱ぐことになりました。高校時代には高い期待を集めた選手でしたが、怪我との闘いが、そのキャリアを大きく左右したと言えるでしょう。

現役引退後、石橋は新たな道に進みます。2008年からはMSH医療専門学校に通学し、柔道整復師の資格取得を目指しました。学業と並行して、同校が保有する社会人野球チーム「MSH塩見」ではコーチ兼野手としてプレーし、野球との関わりも続けていました。専門学校卒業後は、自身の整骨院を開業し、院長として地域医療に貢献しました。

そして2017年10月1日、再び野球の世界に戻ることを決意します。長崎国際大学硬式野球部の野手コーチ・トレーナーとして招聘され、その後ヘッドコーチに就任。現在は、これまで培ってきた経験を活かし、次世代の野球選手の育成に情熱を注いでいます。

詳細情報

年度別打撃成績

一軍公式戦出場なし

背番号

65 （2001年 - 2005年） - 広島東洋カープ
69 （2006年） - 阪神タイガース
64 （2007年） - 埼玉西武ライオンズ

登録名

石橋 尚登 （いしばし なおと、2001年 - 2004年）
石橋 尚至 （いしばし なおと、2005年）
石橋 尚到 （いしばし なおと、2006年 - 2007年）

関連項目

長崎県出身の人物一覧
広島東洋カープの選手一覧
阪神タイガースの選手一覧
埼玉西武ライオンズの選手一覧

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