石田保秀

石田保秀

石田保秀（いしだ もりひで）は、1888年（明治21年）に東京府で生まれ、1969年（昭和44年）に没した、大日本帝国陸軍の軍人です。最終階級は陸軍中将。

生い立ちと初期の軍歴

陸軍少将・石田保謙の息子として生まれた石田保秀は、陸軍士官学校第20期、陸軍大学校第29期を卒業しました。1918年（大正7年）7月には騎兵大尉に進級し、軍人としてのキャリアをスタートさせます。1923年（大正12年）9月にはドイツに駐在し、海外での経験も積みました。その後、1924年（大正13年）3月に騎兵少佐に進級、同年9月には陸軍騎兵学校附となり、1925年（大正14年）9月には騎兵第14連隊附に転じ、騎兵科の専門知識を深めていきました。

中堅将校としての活躍

1926年（大正15年）3月、石田は陸軍騎兵学校教官に就任し、後進の育成に携わります。1928年（昭和3年）3月には騎兵監部部員となり、同年8月には陸軍騎兵中佐に進級しました。1931年（昭和6年）8月には侍従武官に任じられ、天皇の側近として活躍。1932年（昭和7年）4月には陸軍騎兵大佐に進級し、着実にキャリアを重ねていきました。

将官としての昇進と実戦

1935年（昭和10年）8月、石田は騎兵第24連隊長に就任（第8師団・騎兵第3旅団）。1936年（昭和11年）8月には陸軍少将に進級すると同時に、騎兵第3旅団長に着任（第8師団）。1937年（昭和12年）8月には陸軍騎兵学校長に就任し、騎兵科のトップとしての地位を確立しました。1939年（昭和14年）3月には陸軍中将に進級、同年9月には留守第7師団長に着任（北部軍）。北部方面の防衛を担いました。

退役と再召集

1940年（昭和15年）10月4日、石田は待命となり、10月30日に予備役に編入されました。しかし、太平洋戦争末期の1945年（昭和20年）3月31日には召集され、北部軍管区兵務部長に就任。終戦まで兵站業務に従事しました。

栄典

1940年（昭和15年）8月15日、紀元二千六百年祝典記念章を受章しています。

親族

石田の家族も軍人が多く、父の石田保謙は陸軍少将、兄の石田保道も陸軍少将、弟の石田保政は陸軍歩兵大佐、弟の石田保忠は陸軍中将と、軍人一家でした。

まとめ

石田保秀は、騎兵科のエキスパートとして、教育機関の長や部隊長を歴任した人物です。日中戦争、太平洋戦争と激動の時代を生き抜き、日本の軍事史に名を刻みました。

参考文献

秦郁彦 編『日本陸海軍総合事典 第2版』東京大学出版会、2005年。ISBN 4130301357。
外山操・森松俊夫 編著『帝国陸軍編制総覧』芙蓉書房出版、1987年。
福川秀樹 編著『日本陸軍将官辞典』芙蓉書房出版、2001年。ISBN 4829502738。
外山操 編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。ISBN 4829500026。

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