石質隕石

石質隕石

石質隕石は、その名の通り、主にケイ酸塩鉱物で構成されている隕石です。地球に落下する隕石の中で最も一般的な種類であり、その多様な組成と構造は、太陽系の形成初期から現在に至るまでの歴史を物語る貴重な手がかりとなります。

構成鉱物

石質隕石の主要な構成鉱物は、以下の通りです。

橄欖石 (かんらんせき): (40–50wt%)。ケイ酸塩鉱物の一種で、鉄やマグネシウムを含みます。隕石中では比較的多く見られる鉱物です。
輝石 (きせき): (15–25wt%)。こちらもケイ酸塩鉱物で、多様な種類が存在します。隕石の種類によって含まれる輝石の種類が異なります。
鉄ニッケル合金: (3–23wt%)。隕石の金属成分であり、鉄とニッケルの合金です。この金属成分が含まれるため、石質隕石は金属探知機で検出することができます。

地球上の岩石でよく見られる石英や長石は、石質隕石中では副成分としてしか存在しません。また、雲母などの水成鉱物は、石質隕石には全く含まれません。これは、石質隕石が形成された環境が地球とは異なることを示唆しています。

その他、副成分鉱物として、以下のものが見られます。

トロイライト (FeS): 硫化鉄鉱物の一種。
磁鉄鉱 (Fe3O4): 酸化鉄鉱物の一種。
斜長石: ケイ酸塩鉱物の一種。

分類

石質隕石は、その構造と組成によって大きく2つのグループに分類されます。

1. コンドライト: コンドリュールと呼ばれる球状の組織を含む石質隕石です。これは、太陽系初期に形成されたと考えられており、太陽系形成の過程を研究する上で非常に重要です。
コンドライトは、未分化な岩石であり、惑星が形成される過程で溶融や分化を経験していないと考えられています。
2. エイコンドライト: コンドリュールを含まない石質隕石です。こちらは、分化した天体の地殻やマントルに由来すると考えられています。
エイコンドライトは、一度溶融し、分化を経験したため、元素組成がコンドライトとは異なります。
* 月隕石や火星隕石は、このエイコンドライトに分類されます。

コンドライトとエイコンドライトの分類は、コンドリュールの有無だけでなく、元素組成も考慮されます。そのため、コンドリュールを持たないコンドライト（CI炭素質コンドライト）や、コンドリュールを持つエイコンドライトも存在します。このように、石質隕石の分類は複雑であり、隕石学の重要な研究テーマとなっています。

石質隕石の研究は、太陽系初期の物質組成、惑星形成の過程、そして生命の起源を解明する上で不可欠です。今後も、隕石分析技術の進歩によって、さらなる発見が期待されています。

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