石黒和弘

石黒 和弘（いしぐろ かずひろ）は、1941年7月1日に愛知県名古屋市熱田区で生まれ、2015年10月に生涯を閉じた元プロ野球選手です。主に内野手、後に外野手としても活躍しました。

高校時代

中京商業高校（現・中京大学附属中京高校）に進学した石黒氏は、2年生の時に遊撃手のレギュラーポジションを獲得し、甲子園球場に合計4回出場する豊富な経験を積みました。1958年の春の選抜高等学校野球大会では、チームは決勝まで勝ち進むも、済々黌高校に敗れて惜しくも準優勝となりました。同年夏の全国高等学校野球選手権大会でも再び甲子園の土を踏みましたが、2回戦でまたしても済々黌高校の前に屈しました。当時のチームには、1年上にエースの伊藤竜彦氏や外野手の早瀬方禧氏といった才能豊かな選手たちがいました。

翌1959年、3年生となった石黒氏は、再び春の選抜に挑みます。後にプロ野球で同僚となる平沼一夫氏（後に中京大学、西濃運輸を経て東京オリオンズへ入団）、伊東栄二氏の両投手が好投を見せる中、決勝では高木守道氏がいた県岐阜商業高校を破り、見事優勝旗を手にしました。春夏連覇を目指して臨んだ夏の選手権でしたが、こちらは初戦で高鍋高校に完封負けを喫し、目標達成はなりませんでした。夏の大会後には、全日本高校選抜チームの一員としてアメリカ西海岸やハワイへの遠征に参加し、国際的な経験も積みました。

大学時代

高校卒業後、石黒氏は慶應義塾大学に進学し、東京六大学野球リーグで活躍しました。慶大では、1962年秋季リーグと1963年春季リーグでチームの優勝に貢献。特に1963年には、1年下のエース渡辺泰輔氏を擁し、全日本大学野球選手権大会でも決勝で駒澤大学を破り、全国の頂点に立ちました。打線の中軸であるクリーンナップの一角を担い、遊撃手として1962年秋季リーグから3季連続でベストナインに選出されるなど、攻守にわたって高い評価を得ました。リーグ通算では66試合に出場し、222打数64安打、3本塁打、20打点、打率.288という成績を残しています。大学の同期には、一塁手の西岡浩史氏や外野手の北川公一氏らがいました。

プロ野球時代

1964年、石黒氏は東京オリオンズ（現・千葉ロッテマリーンズ）に入団します。ルーキーイヤーから遊撃手の定位置を掴み、主に一番打者として起用されました。この年は117試合に出場し、打率.256、13本塁打、37打点を記録。特にシーズン29本の二塁打は、佐々木信也氏が持っていたパシフィック・リーグの新人記録を更新するものでした。この活躍により、その年の新人王の有力候補として名前が挙がりましたが、最終的には該当者なしとなり、選出は見送られました。これは、打率が傑出したものでなかった点や、当時のオリオンズが他の球団に比べて人気の面で劣っていたことなどが関係したと推測されています。

二年目の1965年には、山崎裕之氏が入団したこともあり、開幕から二塁手へとポジションを移しました。しかし、打撃の調子を落とし、八田正氏との併用が多くなったため、出場機会は前年の半分程度に減少しました。1967年には復調を見せ、二塁手、一番打者として87試合に先発出場します。1968年からは前田益穂氏が二塁を守ることになったため、自身は右翼手として出場する機会が増えました。しかし、その後は徐々に出場機会が減少し、1971年シーズンをもって現役を引退しました。プロ野球選手としてのキャリアは8年間でした。

引退後

現役引退後は、経営コンサルタントとして新たな道を歩みました。

プロ野球での背番号は、入団から引退まで一貫して「23」でした。球団は1969年に「ロッテオリオンズ」へと名称を変更しています。

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