渡辺泰輔

渡辺泰輔のプロ野球人生

渡辺泰輔（わたなべ たいすけ、1942年7月13日 - 2023年12月20日）は、福岡県直方市出身のプロ野球選手であり、主に投手として活躍しました。彼の武器はパームボールであり、その技巧はいまだに野球ファンの記憶に刻まれています。

経歴と高校時代

福岡県内に生まれた渡辺は、慶應義塾高校に進学しました。これは、母校である慶應義塾大学への進学を希望していた監督の加藤喜作が仲介したためです。在学中、彼は1959年の夏の甲子園県予選決勝に出場しましたが、法政二高に敗れました。その後、彼は秋季関東地区大会で優勝し、1960年春の選抜大会へと進出。準々決勝では、延長戦に持ち込まれるも惜しくも敗れました。夏の大会でもノーヒットノーランを達成したものの、結局法政二高に涙を呑む結果となりました。

大学時代の成功

慶應義塾大学では、東京六大学野球リーグでの戦いを経て、3度のリーグ優勝を果たしました。特に1963年春・秋季リーグでは、強力な打線の支えがあり、法大との激闘を繰り広げました。また、全日本大学野球選手権大会では決勝で完封勝利を収め、大学時代の才能を発揮しました。1964年には、東京六大学の歴史で初となる完全試合を達成し、その名を大いに知らしめました。

プロ入りと南海ホークスでの活躍

1965年、渡辺は南海ホークスに入団します。契約金は当時としては最高の5,000万円というものでした。ルーキーシーズンでは、先発として4勝を上げ、次第にポジションを確立していきます。1966年には16勝を挙げ、リーグ優勝に貢献しました。特に日本シリーズでは全6戦中4戦に先発し、その中で完投勝利も成し遂げ、敢闘賞を受賞しました。

引退とその後

渡辺のプロ生活は時に波乱にも見舞われましたが、1969年に復活し9勝を挙げるものの、段々と登板機会が減少し1972年には引退を迎えます。彼の投球スタイルは、スライダーやシュート、チェンジアップを駆使しつつ、パームボールを決め球として使用していました。この球種は彼独自のもので、多くのファンと選手に印象を与えました。

引退後は実家の鉄鋼業を継ぎ、社長として新たな道を歩みました。2018年には読売巨人軍の特別な試合に参加し、その姿を見せることができました。

最期と功績

渡辺泰輔は2023年12月20日に福岡県飯塚市の病院で逝去しました。81歳という年齢での死去ですが、彼が残した多くの記録と影響は今もなお語り継がれています。彼の去った後も、その姿勢や技術は次世代の選手たちに大きな影響を与えることでしょう。彼の功績は、福岡県出身の野球選手たちにとっての模範であり、野球界の宝として永遠に記憶されるはずです。

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