石黒正人

石黒 正人（いしぐろ まさと）

石黒正人は1945年に生まれた日本の天文学者であり、専門は電波天文学です。東京大学にて理学博士の学位を取得しており、国立天文台の名誉教授としても知られています。彼は国際共同プロジェクトであるALMA（アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計）計画の推進責任者として重要な役割を果たしました。

学歴とキャリア

名古屋大学の工学部で電子工学を専攻し、その後大学院の修士課程を修了しました。石黒は、名古屋大学空電研究所で助手を務めた後、東京大学東京天文台の助教授へと進みました。1988年には、国立天文台の教授に就任し、次第に名誉教授としての地位を確立しました（2009年）。

石黒はまた、野辺山宇宙電波観測所長、電波天文学研究系主幹、技術部長などの各役職に就きながら、電波干渉計の技術開発や、様々な天文学的な観測の研究を進めてきました。特に、太陽の大気や星形成領域、銀河の中心部の観測において、電波干渉計を用いた研究を推進しています。

ALMA計画への貢献

1980年には「電波干渉計による天体像形成に関する研究」というテーマで東京大学から理学博士号を取得しました。その後、1998年からALMA計画の日本側責任者として、プロジェクトの基本構想や規模、設置場所などを細部にわたり練り上げてきました。この計画では、南米チリのアンデス山脈に、5000メートルの高地に設置された巨大な電波望遠鏡ALMAの建設に尽力しました。

ALMAは電波天文学における重要なプロジェクトとして、宇宙の様々な現象を解明するためのデータを提供し、国際的な研究協力を促進しています。石黒正人の技術的なリーダーシップと洞察力は、このプロジェクトの成功に大きく寄与しています。

研究成果と影響

石黒の研究成果は、電波干渉計の技術的革新だけでなく、天文学の理解を深める上でも大きな影響を及ぼしています。特に、彼の研究は新しい観測手法の確立に寄与し、多くの後続の研究者にも影響を与えています。彼の功績は、電波天文学の進展にとどまらず、広く天文学という分野全体に寄与しています。

石黒正人の後進への指導も評価されており、天文学界における彼の存在は今後も重要であることが期待されています。

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