砂の薔薇

砂の薔薇（デザート・ローズ）

概要

『砂の薔薇』は、新谷かおるによる日本の漫画であり、OVAとしても展開されている。この作品は、『月刊アニマルハウス』や『ヤングアニマル』において1989年から1998年まで連載されており、全15巻の単行本が刊行されている。現在、文庫版や完全版も販売されている。作品の設定は、かつては空想的に思えた民間軍事会社が実際に活躍する時代背景を後にしている。

あらすじ

物語の主人公はマリーという名の女性指揮官で、彼女はCAT（反テロリズム専門部隊）に所属する凄腕の戦士である。彼女は、「薔薇のマリー」と呼ばれ、胸元にある薔薇の形をした傷跡が象徴的である。夫と息子をテロによって失った過去を背負い、テロ撲滅に全力を尽くす。マリーはどこにでも出向き、敵に対しては容赦ない一面を持っている。しかし、彼女の心には仲間たちへの強い感謝の気持ちも宿っており、仲間との絆が物語の美しい要素を作り出している。

登場人物

真理子・ローズバンク（マリー）

この作品の主人公であり、日本人だが、アメリカ国籍を持つ女性指揮官。彼女はCATの中でも屈指の実力を誇り、チーム・ディビジョンMを率いてテロリズムと戦う。その実績と指導力から、隊員たちからは絶大な信頼を得ており、彼女の情熱と優しさが描かれる。過去の悲惨な出来事から生まれた彼女の心の奥底には、テロに対する強い憎しみが秘められている。

ヘルガ・ミッターマイヤー

マリーの親友であり、ディビジョンMの副官を務める女性。彼女はその肝の据わった性格を持ち、「鉄の処女」と称されることも。マリーとの深い絆と理解を持つ彼女は、多くの信頼を寄せられ、戦場における優れた戦闘力でマリーを支える。

アイリーン・サンダース

CATの第一分隊に属する女性隊員で、彼女は子供を巻き込んだテロ事件の影響で、テロリズムへの嫌悪感を抱くようになった。小柄ながらも、気性が荒く、感情に任せて行動することが多い。

デライラ・カンクネン

元ファッションモデル出身で、ディビジョン第二分隊に所属。彼女は長身で威圧感があり、アイリーンとは親友関係である。サングラスを常に身につけ、自由奔放な一面を持っている。

鈴龍姫（リン）

ディビジョンMに新入隊員として配属された本作の登場人物。かつては香港の闇組織出身で、その教育によって格闘技や毒物に関する専門知識を持っている。見た目とは裏腹に、高度な戦闘能力を持つ。

ケリエン・アンダーソン

博士号を持つ女性隊員で、爆発物処理に優れた技術を持つ彼女は、作中の参謀役でもある。また、マリーとの信頼関係も強い。

CATの概要

本作の中心となる組織「CAT」は、対テロリズムを目的とした民間軍事組織である。アメリカ国防総省の指導下で活動し、各地で様々な作戦を展開することが特徴で、国内外を問わず幅広い範囲で活動を行っている。隊員たちは高い専門性を持つ者が集まり、実行部隊の報酬も高額であり、社会的な問題を抱える者も在籍している。

OVA版

本作は1993年にOVAとしても制作され、視聴者に親しまれた。主要キャストとして、マリーの声を佐々木優子が担当しており、他のキャラクターも多彩な声優陣の演技によるものとなっている。

まとめ

『砂の薔薇』は、戦いをテーマにしながらも、友情や仲間との絆といった深い人間ドラマが描かれた作品であり、読者や視聴者に多くの感動を与えた。それは現実の民間軍事会社の存在が際立つ時代においても、非常に重要なテーマであり続ける。

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