砂湯

砂湯とは

砂湯（すなゆ）は、温泉の熱で温められた砂を利用した入浴方法です。海岸や温泉地で見られ、体を砂に埋めることで、温泉熱と砂の圧力による温熱効果を得ることを目的としています。砂風呂、砂蒸し風呂とも呼ばれます。

各地の砂湯

指宿温泉

鹿児島県の指宿温泉は、砂湯で非常に有名な場所です。特に「砂むし温泉」は、1547年にジョルジェ・アルバレスによって記述された『日本報告』にその存在が記されているほど歴史があります。

指宿市内には、摺ヶ浜海岸にある「砂楽（さらく）」と、伏目海岸にある「砂湯里（さゆり）」という2つの主要な砂むし施設があります。世界的にも珍しい天然の砂蒸し温泉があることで知られています。

別府温泉

大分県の別府温泉も、砂湯の歴史を持つ温泉地です。別府の砂湯は江戸時代から行われていたとされています。大正時代初期には各地に天然砂湯が存在していましたが、徐々に減少。

1966年に北浜海浜砂湯が閉鎖されたことで、一時的に別府から砂湯が消滅しました。しかし、1986年に上人ヶ浜に別府海浜砂湯が開設され、市営温泉として復活。惜しまれつつも2023年3月末で閉鎖されましたが、民営の後継施設により、従来の2倍以上の面積を持つ砂湯として新たに整備される計画が進んでいます。

別府温泉には、竹瓦温泉のように屋内に砂湯を持つ施設も存在します。

その他の砂湯

屈斜路湖 砂湯（北海道弟子屈町）: 屈斜路湖東岸に位置し、砂浜に穴を掘ると温泉が湧き出る場所として知られています。足湯として利用されています。
砂湯（岡山県真庭市）: こちらは砂風呂ではなく、湯に浸かる天然の露天風呂です。川底から砂が湧き上がる様子から「砂湯」または「砂噴き湯」と呼ばれています。

砂湯の効果

砂湯は、体を温めるだけでなく、砂の重みによるマッサージ効果も期待できます。発汗作用を促進し、新陳代謝を高める効果があるとも言われています。温泉の泉質と砂の相乗効果により、リラックス効果も高く、心身のリフレッシュに最適です。

注意点

砂湯は体への負担が大きいため、体調が優れない場合や、高血圧、心臓病などの持病がある場合は、医師に相談してから利用するようにしましょう。また、砂の温度が高い場合があるので、無理せず、熱すぎる場合は係員に申し出るようにしましょう。入浴後は、水分補給をしっかり行い、体を休めることが大切です。

砂湯は、日本の温泉文化の中でも独特な体験ができる入浴法です。機会があれば、ぜひ各地の砂湯を訪れて、その魅力を体験してみてください。

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