露天風呂

露天風呂の魅力とその歴史

露天風呂（ろてんぶろ）は、自然の野外に設置された浴場であり、天井や壁がないため、開放感を持ちながら入浴できるのが最大の魅力です。この形式の風呂は、野風呂（のぶろ）や野天風呂（のてんぶろ）とも呼ばれ、温泉入浴の原風景の一つとされています。

露天風呂の起源

露天風呂は、かつては自然の中にある温泉を利用した「野湯」に由来し、そこから浴槽が整備されて始まりました。現在では、観光目的としての需要が高まり、多くの温泉地では露天風呂が重要な施設となっています。入浴中に癒しの景色を堪能することや、開放感を感じること、さらにはのぼせにくいという利点が多くの人々に支持されています。そのため、旅館や日帰り温泉施設では、内湯だけでなく露天風呂を併設することが一般的です。

近年の露天風呂の利用状況

最近では、古くからの温泉地に加え、スーパー[[銭湯]]などの近代的な施設でも露天風呂の設置が目立つようになりました。1980年代初頭までは、屋内風呂であるローマ風呂やジャングル風呂が主流でしたが、1980年代後半からのバブル景気を背景に、露天風呂が人気を博しました。

ただし、時には屋内に近い環境であっても「露天風呂」と称されることもあり、完全に屋外ではなく「半露天」と分類される施設も存在します。このような名付けの工夫があることから、露天風呂の基準については、利用者の前で注意が必要です。

露天風呂番付

露天風呂の代表的な位置づけの一つとして「露天風呂番付」があります。これは、露天風呂が有名な温泉エリアをランキング形式で紹介したもので、1981年に温泉評論家の野口冬人によって編纂されました。露天風呂番付によると、西の横綱は湯原温泉の「砂湯」で、東の横綱は宝川温泉です。湯原温泉には、大きな露天風呂番付のモニュメントが設置され、この地の象徴となっています。

露天風呂の管理

露天風呂を運営する上での課題として、特に源泉の温度管理があります。天候によって浴槽の温度が変動しやすいため、適切な温度管理が求められます。また、露天風呂は内湯よりも清掃や衛生管理が難しいとされ、特にレジオネラ菌のリスクがあるため、より厳格な管理が必要です。

露天風呂の特異な事例

特筆すべき露天風呂として、福島県いわき市にあるスパリゾートハワイアンズ内の「江戸情話 与市」があります。これは、総浴槽面積が1000㎡を誇り、世界一広い露天風呂としてギネス世界記録に認定されています。また、アイスランドには約5,000㎡の大きさを持つ「ブルーラグーン」が存在し、そのうち2,400㎡が一般に開放されています。

露天風呂の日

また、6月26日は「露天風呂の日」として制定されており、これは「ろ（6）てん（・）ぶ（2）ろ（6）」という語呂合わせに由来しています。1987年6月26日に岡山県の湯原温泉がこの日を定めました。

露天風呂は、自然と一体になって入浴を楽しむことができる貴重なリラクゼーションの場であり、四季折々の景色とともに多くの人に楽しまれています。

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