砂漠の鷹旅団

砂漠の鷹旅団について

砂漠の鷹旅団（アラビア語: لواء صقور الصحراء‎、Liwa Suqur al-Sahara）は、シリア内戦においてシリア陸軍と結束して戦った親政府の武装組織です。この旅団は、主に退役軍人や元兵士、また25歳から40歳の若者たちによって構成されており、それぞれが政府の支持者として参加しました。彼らは、特に待ち伏せ戦術に特化した「エリート」な部隊とされ、数々の特別任務において顕著な役割を果たしました。旅団は小型および中型の武器で武装し、必要に応じてシリア正規陸軍からの火力支援を得ることもありました。

歴史的背景

砂漠の鷹旅団は、主にホムス県で結成されたとされています。彼らの活動は、イラクやヨルダンに跨る砂漠地域の反政府勢力の物資や人員の密輸ルートを遮断することが目的でした。一方で、シリア軍の補給体制が崩壊し、基本的な物資も不足する中、2013年初頭に結成されたという見方もあります。この際、裕福な個人（多くは物議を醸す過去を持つ）が、シリア政府から必要資源を供給され、砂漠の鷹旅団を形成する運びとなりました。特にムハンマド・ジャービルとその兄弟アイマン・ジャービルの存在が大きく、彼らは仲間よりも優れた装備を持っていることが多かったのです。更に、地元のネットワークや家族を通じての勧誘が、軍の公式な徴兵活動よりもスムーズであったとも言われています。

旅団の指揮は、共和国防衛隊の大佐モフセン・サイード・フセインが担当しており、主な任務の一つはシリアにおける油田やガス田の防衛でした。

主要な活動

砂漠の鷹旅団は、2013年6月にはカルヤタインの戦闘に参加しました。この時、隊員の1人が戦闘で命を落としました。さらに、反政府勢力がラタキア県北部を攻撃した後、戦略的重要性の高い位置「Tower 45」を占領する任務に従事し、そこで他のメンバーも失われました。

2014年11月にはシャーイル・ガス田の戦いで隊長がISILテロリストとの交戦中に命を落としました。2015年には、トルコのF-16によって撃墜されたロシアの戦闘機の副操縦士を救助しようとした作戦も行われましたが、その副操縦士は地面に降下中に反政府勢力によって殺害されました。

また、2016年には、シリア軍虎部隊との誤射事件の中で、多くの砂漠の鷹のメンバーが犠牲となり、その結果、親政府間の協力関係に亀裂が入りました。さらにシリア内戦の様々な戦闘に参加し、数々の困難な局面を迎えました。

メディアでの認識

砂漠の鷹はシリア陸軍虎部隊と並ぶ戦闘効率の高い部隊と見なされていましたが、ジャービル兄弟の影響力ややり方から、戦争を通じて私的な利益を追求する組織としての評価もされていました。そのため外部からは悪評が付きまとい、巡る状況によって彼らの信頼性が揺らぐこともありました。

解散

2017年8月2日、砂漠の鷹旅団は解散し、ジャービル大佐は自身の職業生活を続けるために他地域に移ることになりました。旅団の兵士たちは他の部隊に分散し、新たな編成を強いられました。シリア内戦中には、多くのメンバーが戦闘で命を落としています。

以上のように、砂漠の鷹旅団はシリア内戦の中で重要な役割を果たしたものの、その歴史には多くの混乱と変化が付きまとっていました。

もう一度検索