砂糖水

砂糖水とは

砂糖水とは、砂糖を水に溶解させた水溶液のことです。英語では「sugar water」と表記されます。

特徴

甘味: 砂糖と同様の甘味を持ちます。
溶解性: 砂糖は水によく溶け、大量に溶かすと粘り気のある液体になります。
無臭: 特に匂いはありません。
無色透明: 基本的に無色透明ですが、砂糖の主成分であるスクロースの特性により、偏光板を使うと旋光性を確認できます。
屈折率: 純水と比較して、砂糖の量に応じて屈折率が上昇します。この性質は糖度計の原理に応用されています。
非導電性: 電気を通しません。

用途

昆虫飼育: 昆虫の飼育や採集時の餌として利用されます。
べっこう飴: 加熱することでべっこう飴を作ることができます。
理科実験: 小学校の理科実験で、食塩水とともに沸点上昇や凝固点降下、比重の説明に使われます。
かき氷: 砂糖水を凍らせると、砂糖が氷の結晶成長を妨げ、大きな結晶が形成されにくくなります。そのため、砂糖水で作った氷は、純水で作った氷よりもきめ細かく、食感が良くなります。

歴史

江戸時代から昭和中期頃まで、夏の暑さをしのぐためによく飲まれていました。当時は「砂糖水」や「冷や水」と呼ばれ、白玉などを添えて売り歩く姿も見られました。俳句にも詠まれており、小林一茶の句「砂糖水ただふるまふや江戸の町」のように、夏の季語としても親しまれていました。

脚注

砂糖水は、身近な材料で簡単に作れるため、実験や料理など幅広い場面で利用されています。
砂糖水の濃度を調整することで、様々な甘さや粘度に調整できます。

参考文献

大川忠・大橋憲三「食塩は砂糖より溶けにくい? : 物質の溶解性を正しく評価する濃度表現とその有効性」『化学と教育』第46巻第9号、1998年、592-593頁、NAID 110001830183。
奥田知晒・柴田亨・亀岡孝治・溝口勝「凝固点降下法による糖水溶液の水分活量係数の測定」『三重大学生物資源学部紀要』第11巻、1993年、167-176頁、NAID 110000506812。
好村滋行「かき氷騒動 : 甘くない砂糖水の話」『物性研究』第80巻第2号、2003年、349-366頁、NAID 110006409089。

関連項目

シロップ
糖蜜
ショ糖濃度
* 食塩水

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