砂糖袋

砂糖袋（さとうぶくろ）について

砂糖袋とは、砂糖を保管したり輸送するために使用される袋のことです。日本語において「砂糖袋」という表現は、その文脈に応じて、貿易用の大きな袋から飲み物用の小分け袋まで、さまざまなサイズのものを指しています。英語では、貿易などの大きな袋を「sugar bag」、飲み物用の小分け袋を「sugar packet」と呼ぶため、言葉の使い方に違いがあります。

大きな砂糖袋

「sugar bag」という用語は、砂糖が入っていない状態でも使われることがあります。特に、倉庫での保管や長距離輸送の際に使用される大型の袋について述べる際に見られます。これらの袋は、麻などの素材で作られ、数十kgから100kg以上の砂糖を詰めることが可能です。過去には、港で作業を行う人々が、大きな砂糖袋の下敷きになって事故に遭うこともありました。

オーストラリアやニュージーランドでは、コウマ製の平織物で作られた小型の鞄も「sugar bag」と呼ばれ、砂糖以外の乾物を運ぶ際にも利用されています。地域によっては、これらの袋の布地を再利用して衣服を作ることもありました。20世紀前半までは、大きな砂糖袋は紙製で作られることもありましたが、近年では、ポリビニルアルコール（PVA）で強化された紙やポリプロピレン製の袋が一般的に使用されています。

小売り用の包装袋

欧米では、砂糖は一般的に1kgまたは2ポンド（約907g）の量で袋詰めされ、紙やポリエチレンの袋に入れて販売されます。日本においては、1kgのポリエチレン袋が最も一般的です。かつては、30kgの大きな袋から小売店が砂糖を量り売りする方式が一般的でしたが、スーパーマーケットのセルフサービス化により、小さな袋詰めの砂糖の流通が増加しました。1950年代ほどまでの小売り用の砂糖袋は、内側がラミネートされた紙袋でしたが、1960年代以降はポリエチレンが主流となりました。これは技術革新や自動包装機械の導入が大きな要因です。

英語における比喩表現

オーストラリアで「sugar bag」と言えば、その名を持つ野生の蜂の巣を意味する場合があります。さらに、糖尿病患者が日常的に使用するインスリン注射用の器具一式を収めた小さな入れ物も「sugar bag」と呼ばれますが、これは特定の商品の名称に由来しています。

飲み物用の小分け袋（sugar packet）

飲み物一杯用に小分けされた砂糖の袋が普及する以前、レストランなどでは砂糖壷が使われていました。しかし、この形状には衛生面での懸念がありました。1945年、かつてダイナーを経営していたベンジャミン・アイゼンシュタットが、ティーバッグの製造に転業し、新たに砂糖を小分けすることを思いつきました。このアイディアにより、後に同社は主力製品として小分け袋を提供し、この成功がさらに甘味料スイートンローの開発につながります。

日本では、1960年代から「ペットシュガー」という名前で砂糖の小分け販売が導入され、数十年の間に内容量が多様化していきました。1990年代には、3gのサイズが広く普及しました。また、英語では「sugar sucket」と呼ばれる棒状の形状のものが存在し、日本においては「スティックシュガー」として知られています。さまざまなデザインの小分け袋が存在し、そのコレクションを楽しむ愛好家も多くいます。2013年の時点で、ドイツのラルフ・シュレーダーによる14,502種の砂糖袋コレクションがギネス世界記録に認定され、彼のコレクション史上最も古いものは1950年代にさかのぼります。

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