磯波 (初代神風型駆逐艦)

磯波 (初代)

神風型駆逐艦（初代）の31番艦として建造された大日本帝国海軍の駆逐艦が「磯波（いそなみ）」です。後年に同名の吹雪型駆逐艦が就役したため、区別のため初代「磯波」や「磯波I」と呼ばれることがあります。

艦歴

本艦は製造番号「第31号駆逐艦」として計画され、1907年（明治40年）7月9日に「磯波」と命名されました。翌1908年（明治41年）1月15日、舞鶴海軍工廠にてその建造が開始され、同年11月21日には無事進水に至ります。同年の12月11日付で正式に駆逐艦として海軍に類別され、翌1909年（明治42年）4月2日に全ての建造工程を終え、竣工しました。

就役後、本艦は第一次世界大戦に際しては青島攻略戦に参加し、実戦を経験しました。また、シベリア出兵に関連しては、沿海州方面での沿岸警備任務に従事するなど、当時の国際情勢下の要請に応じた活動を行いました。

時代が下り、1924年（大正13年）12月1日には、本艦の艦種は掃海艇へと変更され、掃海艇籍に編入されます。その後、1928年（昭和3年）8月1日には、新鋭の吹雪型駆逐艦として二代目の「磯波」が誕生したため、本艇は重複を避けるべく「第七号掃海艇」と名称を改めました。掃海艇としての役務を終えた後、1930年（昭和5年）6月1日付で海軍籍から除籍されます。その後は雑役船籍に移され、「公称第756号」と命名された曳船兼交通船として短期間利用されました。しかし、その船生も長くは続かず、1935年（昭和10年）4月9日をもってついに廃船となります。解体されることなく、船体は呉海軍工廠において浮桟橋として再活用され、その最期まで海軍の活動に貢献しました。

歴代艦長

本艦に乗り組んだ歴代の艦長は以下の通りです。

駆逐艦長
園田繁喜 大尉：1909年3月7日 - 1910年2月16日（舞鶴海軍工廠艤装員を兼任）
児玉兼三郎 大尉：1910年2月16日 - 1910年12月1日（兼任）
小川正冬 大尉：1910年12月1日 - 1912年11月13日
池中健一 大尉：1912年11月13日 - 1913年4月1日
藤田許太郎 少佐：1913年4月1日 - 不詳
角恒吉 大尉：不詳 - 1915年4月1日
猪原薫一 大尉：1915年4月1日 - 1916年12月1日
斎藤直彦 大尉：1916年12月1日 - 1917年3月1日（兼任）
松田鹿三 大尉：1917年3月1日 - 1917年12月1日
渡辺彝治 大尉：1917年12月1日 - 1919年12月1日
吉田庸光 大尉：1919年12月1日 - 1920年12月1日（兼任）
後藤鉄五郎 大尉：1920年12月1日 - 1922年12月10日
金子豊吉 大尉：1922年12月10日 - 1923年11月10日
高間完 大尉：1923年11月10日 - 1924年12月1日

掃海艇長
藤井音四郎 大尉：1924年12月1日 - 1926年11月1日
村上暢之助 大尉：1926年11月1日 - 1927年11月15日
小西要人 大尉：1927年11月15日 - 1929年2月14日
吉村真武 大尉：1929年2月14日 - 1929年10月3日
* 萱場松次郎 大尉：1929年10月3日 - 1930年1月20日（兼任）

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