磯波 (吹雪型駆逐艦)

磯波（いそなみ）

磯波は、大日本帝国海軍の駆逐艦で特型（吹雪型）の9番艦にあたります。艦名は、海辺に打ち寄せる波に由来し、過去には神風型駆逐艦の初代磯波がありました。最初は「第43号駆逐艦」という名で呼ばれていましたが、1928年8月1日に「磯波」という艦名に改称されました。艦名の由来や歴史を通して、磯波の存在意義を見つめ直してみましょう。

建造と艦歴

磯波は浦賀船渠で建造され、一等駆逐艦としての地位を確立しました。1928年12月には、浦波、敷波、綾波と共に第十九駆逐隊が編成され、第二艦隊第二水雷戦隊に所属しました。この艦隊は、その後の日中戦争や太平洋戦争においても重要な役割を果たしました。

1937年の日中戦争では、上海や杭州湾での上陸作戦に参加し、華南地域でも沿岸作戦を展開しました。太平洋戦争では、南方に進攻し、ミッドウェー海戦やソロモン諸島・ニューギニアの各作戦にも参加します。その後は主に海上護衛や哨戒任務を行いました。

しかし残念ながら、1943年4月9日にセレベス南東でアメリカ潜水艦「トートグ」の雷撃を受け、磯波は戦没してしまいます。この事故は、艦の長い歴史における悲劇的な終わりを告げるものでした。

歴代艦長

磯波を指揮した艦長たちも数多く、彼らはそれぞれ異なる時期に艦を率いてきました。艦装員長として有馬直中佐が1928年2月から在任し、艦長としても有馬中佐が1928年6月から1929年11月まで指揮を執りました。その後は原顕三郎中佐、難波祐之少佐、安富芳介少佐などが続きました。

1930年代から1940年代にかけて、緒方友兄中佐や菅間良吉少佐など、数名の指揮官が艦の運営を行いました。これらの艦長は各種の艦隊行動や戦闘において、艦の運命に大きな影響を与えました。

以下は、歴代艦長のリストです：

• - 有馬直中佐：1928年6月30日 - 1929年11月30日
• - 原顕三郎中佐：1929年11月30日 - 1930年11月21日
• - 難波祐之少佐：1930年11月21日 - 1932年12月1日
• - 安富芳介少佐：1932年12月1日 - 1933年9月30日
• - 横山茂中佐（兼）：1933年9月30日 - 1933年11月15日
• - 酒井一雄中佐：1933年11月15日 - 1934年11月1日
• - 吉村真武少佐：1934年11月11日 - 1936年12月1日
• - 大原利通少佐：1936年12月1日 - 1938年3月15日
• - 岡部三四二少佐：1938年3月15日 - 1938年12月15日
• - 仙波繁雄少佐：1938年12月15日 - 1939年11月15日
• - 緒方友兄中佐：1939年11月15日 - 1941年9月20日
• - 菅間良吉少佐：1941年9月20日 -
• - 西村正夫少佐：1942年7月1日 -
• - 荒木政臣少佐：1943年3月26日 -

参照文献

この艦の詳細については、以下の参考文献にその全貌が記されています。

• - 光人社の『ハンディ版 日本海軍艦艇写真集16 駆逐艦 吹雪型［特型］』（1997年）
• - 外山操著『艦長たちの軍艦史』（光人社、2005年、ISBN 4-7698-1246-9）
• - 海軍歴史保存会編の『日本海軍史』第7巻（第一法規出版、1995年）

これらの情報源を通じて、磯波の歴史やその艦長たちの活躍がより深く理解できることでしょう。

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