社会学年報

社会学年報について

『社会学年報』（しゃかいがくねんぽう、仏：L'Année sociologique）は、フランスで年に2回発行される権威ある学術雑誌です。この雑誌は1898年に社会学者エミール・デュルケムによって創刊され、彼自身が初代編集長を担いました。その創刊から現在に至るまで、社会学研究の発展と重要な知見の発表の場として機能しています。

創刊と休刊

『社会学年報』は、創刊当初から1925年までは年に1度だけの刊行でしたが、第一次世界大戦や第二次世界大戦の影響で、休刊を余儀なくされることもありました。戦後の1949年からは「第三シリーズ」として再スタートし、現在に至ります。特に1934年から1942年にかけては『社会学年誌（Annales sociologiques）』という名で、別の形態で刊行されました。この時期には一般社会学、宗教社会学、法・道徳社会学、経済社会学、社会形態学などのテーマごとに分かれた構成で、さまざまな研究が発表されていました。

デュルケムの目的

デュルケムがこの雑誌を刊行した主な目的は、彼自身の研究とともに、その弟子たち、さらには新たな社会学的パラダイムを提唱する他の学者たちの論文も発表することでした。このため『社会学年報』は、20世紀初頭のデュルケム学派やその特有の研究方法論を象徴する存在となったのです。

主な寄稿者と刊行元

『社会学年報』創刊時には、デュルケムの他にも、セレスタン・ブーグレ、マルセル・モース、アンリ・ユベール、ロベール・エルツ、モーリス・アルブヴァクス、フランソワ・シミアンなど多くの著名な学者たちが寄稿していました。これにより、雑誌は様々な観点からの社会学的な洞察を提供する場となりました。

初めはフェリックス・アルカン社によって発行されていましたが、現在は国立科学研究センターの人文・社会科学研究所の支援を受け、フランス大学出版局（PUF）がその運営を行っています。

現在の刊行状況

今なお刊行され続ける『社会学年報』は、最新の社会学的研究が発表される場として、世界中の研究者や学生から注目を集めています。特に新しい社会問題や現象に対する理解を深めるための重要なリソースとなっており、社会学の発展に寄与する重要な役割を果たしています。これからも『社会学年報』は、社会学の最前線を行く研究の場として、さらなる発展が期待されるでしょう。

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