社会民衆党

社会民衆党の歴史と活動

社会民衆党（しゃかいみんしゅうとう）は、1926年12月5日に設立された日本の無産政党です。この党は、労働者や農民の権利を擁護することを目的としていました。ここでは、社会民衆党の歴史、そしてその活動内容について詳述します。

党の設立と初期の活動

1926年、大正15年のこの党の設立は、共産派に対する態度を巡る論争が背景にありました。当時、労働農民党から脱退した松岡駒吉や西尾末広が、右派の総同盟幹部との合流によって社会民衆党を結成しました。この際、安部磯雄が党の中央執行委員会議長に選出され、片山哲が書記長として党の運営に携わりました。

この党の設立当初からの目標は、労働組合の合法化を求めることでした。当時、労働組合の活動は非合法であったため、社会民衆党は日本労農党や労働農民党と共に、組織的な活動を展開し、労働者の権利拡大に努力しました。

政治活動と選挙の成功

1928年に行われた男子普通選挙では、社会民衆党から安部磯雄が東京2区、西尾が大阪3区、鈴木文治が大阪4区、亀井貫一郎が福岡2区で当選し、初めて議席を獲得しました。このことは、党の政治的影響力を高める素地となりました。

党内の分裂と再編

1931年に満州事変が発生すると、党内は二つの勢力に分かれました。一つは満州事変を支持する赤松克麿や嶋中雄三を中心とした国民社会主義派であり、もう一つは片山・鈴木・松岡を中心とした反資本主義、反共主義を堅持する三反主義派でした。この対立は翌年4月の党中央委員会において、赤松派が全員離党する事態に発展しました。

さらに1931年7月には、新労農党や全国大衆党との合同に向けた動きがあり、社会民衆党は合同賛成派が合流して全国労農大衆党を結成しました。その後、1932年には全国労農大衆党と社会民衆党が再度合同し、社会大衆党が設立されました。この新党の委員長には安部磯雄、書記長には麻生久が選ばれ、党は新たなスタートを切ります。

戦後への影響

社会民衆党に集まった勢力は、後に日本社会党の右派や、その右派を中心に結成された民社党の源流となりました。こうして、社会民衆党は戦後の日本政治においても重要な役割を果たすこととなりました。

まとめ

社会民衆党は、労働者や農民の権利を擁護するために活動した無産政党で、その活動や歴史は日本の政治において重要な位置を占めています。設立から様々な困難を乗り越え、党内の改革を経た社会民衆党は、後の政治動向にも影響を与え続けました。

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